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今年デビュー5周年を迎える藤澤ノリマサが、ベストアルバム『POP OPERA THEATER〜5th Anniversary Best』を10月23日にリリース。これまでの全シングルを網羅した上に書き下ろしの新曲も収録された作品は、藤澤ノリマサファンはもちろん、まだ彼を知らないリスナーの入門編としても最適だ。

──デビューから5年が経ちましたね〜。
「はい。振り返ることができる自分が嘘のような感じもしますし、その一方でやっぱり時が流れたなっていう気もしていますね。というのは、今回のベストアルバムを制作するにあたって、1枚にまとめるのがすごく難しかったから。でも、選曲にも流れにもこだわって作ったので、とても感慨深い作品になりました。初めて僕の歌を聴くという方もいらっしゃると思うんですけど、この作品で今までの僕を知っていただければ、きっと藤澤ノリマサ博士になれると思います(笑)」



──今回Disc1に収録された17曲は、どういう基準で選んだんですか?

「まず、シングル曲は全部入れたいっていうのはありました。特に9月25日にリリースした『Period.』という楽曲は、これまでを振り返りつつ未来を切り開いていくっていうテーマで書いたものだったので、やっぱりこの1枚もそういうものにしたかったですね」

──藤澤さんの楽曲にはポップオペラもオリジナルのポップスもありますが、そのどちらもバランス良く収録されていますもんね。

「そうですね。もちろん1枚(のCD)に入る楽曲数は限られているので、収録しきれないものもあったんですよ。でも、初回限定盤には5th Anniversary CONCERTの時に行なったファンクラブアンケートで上位に入った作品を収録したDisc2がついているんですね。その中の曲にもポップオペラだけじゃなくポップスもかなり入っていたので、そういう曲も皆さんが支持してくださったことがとても嬉しかったです。5周年という節目を経て、これから新しいタームに行くにあたっても可能性を広げられる気がしますから。『Period.』をプロデュースしてくださった武部聡志さんとは、その前に『月の光』という楽曲でもご一緒させていただいたんですけど、武部さんと作る曲って、なぜかポップオペラ封印状態になるんですよ。ベルカントの縦の発声が出てこない。それはメッセージを伝えたいっていう思いが強かったからだと思います。歌い方を切り替えちゃうとテクニック的にはアクセントが効いていいんですけど、歌詞が耳に入ってこない場合もある。そういうことも武部さんとレコーディングしていく中で発見したので、それは僕にとってはとても新鮮な出来事でした。その結果、それまでは歌い方を変えるのが当たり前で、変えないと燃焼しきれないみたいな感じもあったんですけど(笑)、メッセージを伝えるためには歌い方を抑えることも必要なんだなって思うようになりましたね」



──『Period.』は、メッセージ性の強さと藤澤さんの今後の方向性を示すという両方の意味が込められた楽曲なんですね。

「はい。今まではポップスの曲を出す時、僕が普通の歌い方をして大丈夫なんだろうか? っていう懸念もあったんですよ。でも、やっぱり素の自分を出していくためにも、終止符という意味のある『Period.』が必要だった。もちろんこれは終止符ではなく、あくまでも通過点。ポップオペラは永遠にやっていくと思うので、それを太い幹として、それ以外の枝も広げていきたいと思っています」



──この5年で“藤澤ノリマサ=ポップオペラ”という部分は確立できたと思うので、『Period.』のような楽曲を出すことは、むしろ藤澤さんの幅を広げることになると思います。

「そうですね。全部同じだと聴いている方も飽きてしまうっていうのが心理的にもあると思いますから。それに僕はボーカリストの素晴らしさって、自分の喜怒哀楽を表現できるところにあると思うんですね。人間って弱さもあれば強さもあるし、悲しい出来事を乗り越えてこそ喜びも生まれる。そういう様々な感情を出すことが人間らしさにも繋がると思うので、これからは今まで以上に歌に喜怒哀楽を込められたらなって思っています」

※続きは月刊Songs11月号をご覧ください。

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