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現在、フジテレビ系月9ドラマ『海の上の診療所』の主題歌としてオンエアされている、家入レオの新曲『太陽の女神』。シンガーとしてはもちろん、ソングライターとしての新たな成長を刻んだこの楽曲は、とても温かくて力強いメッセージソングだ。

──『太陽の女神』はドラマ主題歌の書き下ろしですね。

「はい。すごく自分にとって意味のある1曲になりました。ある意味、また幅が広がったんじゃないかなと思っています」

──歌詞は台本などを読んで?

「そうです。でもこれまでと明らかに違う点があって。今までは、根っこにあるものが“自分”じゃないとウソになってしまう気がしていたんですね。だから経験とか感情とか、“自分”と重ね合わせながら書いていた。でも今回、台本や脚本を読ませていただくと、ドラマのテーマが“出会いと成長”だったんです。成長という部分で考えてみた時、今までの私以上のものを楽曲から感じていただけることが私の成長に繋がるんじゃないかなと思ったので、一度“自分”というものを外して、経験していないことから曲を作ることにしたんです。ドラマに合わせて。なので、すごく挑戦した1曲になりましたね」



──なるほど。

「自分が経験をしていなくても、いただいたテーマを理解して、歩み寄って、できた楽曲を信じて歌うことができたら、それってウソじゃないんだって思うことができた。そういう意味でもすごく広がったんですよね。だからこの曲で新たな私を感じてもらうことが成長に繋がって、その成長がまた新たな出会いを生むんじゃないかなと思っているんです」

──実際に歌詞を書いていく時に大事にしたのはどういう点ですか?

「大切なもの、です。このドラマは瀬戸内海の離島が舞台になっているのですが、私、小学校の修学旅行でその辺りを通ったことがあったんですね。その時、海が太陽に照らされてキラキラしてたのをすごく覚えていて。それを思い出した時、大切なものっていうのは、その太陽のように、相手に見返りを求めず照らしてあげられるようなものなんじゃないかなと思ったんです。そこから、『太陽の女神』というタイトルを付けました」



──無償の愛というか。

「はい。太陽は平等に色んな人を照らして輝かせることができる。大切な人って、たぶんそういう存在だと思うんですよ。見返りなんて求めずに、相手をそっと立ててあげているんじゃないかって」

──歌詞にも“僕の心に刻み込まれた 太陽の女神は そっと背中照らしてくれる”とありますが、そのあとに、“大事なものは ひとつしかない 信じてみよう”と続きますね。

「(今年の3月に)高校を卒業して、いわゆる時間割というものがなくなったんですね。これまであまり時間というものについて考えることがなかったけど、自分で時間を管理するようになってから、ちゃんと誠意がないと大切な存在の人達といい関係が作れないんじゃないかなって思ったんです。“忙しくて”とか言うけどそれは言い訳で、大切な存在だと思うんだったらちゃんと時間を割いて、いい関係を続けていくことが大事なんじゃないかなって」



──自分の気持ち次第ですよね。

「この曲を通して、自分が今、大切な人に対してどういう接し方をしているだろうとか、逆に、どういうふうに思われているのかとかを考えるキッカケにもなればいいなと思ってるんですよね。親しき仲にも礼儀ありって言うように、いくら家族とか恋人でも、誠意を持って接することって大事だなって思うので」

──そういう近い存在の人達こそ、見返りを求めず支えてくれたり愛してくれたりしますしね。

「海が輝いていたのは太陽が照らしてくれていたからで、私達にとっても、そういう人って実は自分のすぐそばにいる気がするんですよね。でも、大切なものや大切な人を“大切だ”と思うまでって時間がかかるでしょう? そう思えるようになるまでにいっぱいケンカをしたり、人間くさい衝突を繰り返したり、長い時間話し合ったりして、やっと“私にとって大切な人なんだ”と思えたりする。“私とは合わないな”と思っていた人が、実は大切な存在だ
ったりすることもありますしね。だけどきっと、すぐそばにあるものなんじゃないかなっていうのはすごく思います」

──確かにそうだと思います。

「“出会いは特別な朝なんかじゃなくて いつものありふれた午後 ありふれた会話”って歌詞に、そういった自分なりのメッセージを込めてみました。何げない瞬間にそばにいてくれる人が、きっと大切な人なんだろうなと思うので」

※続きは月刊Songs11月号をご覧ください。

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