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アツいアツい真夏の太陽を思わせるようなポップチューン『ビーサン』に続くSilent Sirenの新曲は、忘れられない恋を歌った冬のバラード『I×U』(アイ・ミス・ユー)。歌詞やサウンドはもちろん、演奏面においても新たな挑戦とこだわりが詰まった今作について、4人にじっくりと語ってもらった。

──シングルとしては、初のバラードですね。

ひなんちゅ「はい。やっぱり冬ってバラードのイメージがあるんですよね。でも最初は、バラードをシングルで出すっていうのはすごく勇気が必要だったんです。(前作の)『ビーサン』が結構ライブでも盛り上がれるキャッチーな曲だったし、冬のバラードって名曲がたくさんありますからね。サイサイもそこに名を連ねられるような名曲を作らなきゃ! ってことで、今回は今までで一番選曲にも時間をかけました」

──ジャケットもそうですし、イントロの鈴の音といい、冬のイメージ全開になりましたね。

ゆかるん「でもライブでは真夏からやり始めたっていう(笑)」

あいにゃん「汗をかきながらやってました(笑)」

すぅ「したたってたもんね(笑)」

──イメージが崩れます(笑)。

すぅ「冬の曲を作ろうってことで、今年の6月ぐらいだったかな? めちゃくちゃいっぱい作ったんですよ。『I×U』自体もいくつかパターンがあったくらい。その中から一番良くて、響きやすくて、スッと入ってくる曲をみんなで粘って考えて、今回の曲になったんです。バラードだけど飽きずに聴けるというか、ピアノ始まりっていうのも新しいし、ストリングスが入ってるのもこれまでのサイサイっぽくはない感じ。でもサビのキャッチーさはちゃんとあるっていうところがポイントですね」

──タイトルもすごくサイサイっぽくて。

すぅ「そこもこだわりました。これは“アイ・ミス・ユー”って読むんですけど、この前のイベントでは、司会の方に“アイ・アンド・ユー”って読まれちゃいました(笑)」

ゆかるん「うちのお父さんは“アイ・ウィッシュ・ユー”って読んだけどね(笑)」

あいにゃん「それは勘違いだね(笑)」

ひなんちゅ「でも最初、うちらも読めなかったもんね(笑)」



──しかし歌詞の内容はものすごく切ないですね。

すぅ「冬だからこそ、とことん落ちようと思って。過去にとらわれてなかなか前に進めない歌なんですけど、聴いてくれた人それぞれの思いと重ねられるように、具体的な過去についてはあまり触れませんでした。付き合ってる間は、“好きだよ”って言ってくれたり、相手のクセとか寝起きの声とかも自分しか知らないんだって思ってたけど、別れちゃったらもう他の誰かにとっての“私しか知らないこと”になってるかもしれない。でも、まだその人のことが忘れられなくて会いに行くんだけど、そこにあの時の彼はもういなくて、それでも思い続けているっていう歌になってます」

ゆかるん「きっとみんな、自分に置き換えて共感できると思うんですよね。ホント、たくさんの人に気に入ってもらえる曲だと思います」

ひなんちゅ「(主人公は)わりと独占欲が強い子なのかなと思うんですよ。私だけのものだったのに、今は違う彼女にその表情を見せてるのがツラいって。でもこういうの、みんな分かる感じですよね。悔しさみたいなのも溢れてるじゃないですか。受け入れられなくて、でも戻れなくて。青春してる子ならきっと共感できると思う」

あいにゃん「最初に聴いた時からサビとかスッと頭に入ってきたんですよ。演奏しててもすごく感情が入り込んじゃって、たぶん今までの曲とは表現の仕方も全然違ってるなって思う曲ですね。すぅの歌を届けようっていう思いが、演奏にも出てると思います」

──ゆかるんの鍵盤がイントロからグッと世界観を作り上げてますね。

ゆかるん「いつもだとキーボードはシンセのピコピコした音で楽しいフレーズを弾いてますけど、この曲はガラッと違いますね。ピアノの音って一番切ない感じが出せるし、ここでいかにみんなを『I×U』の世界に引き込めるかという大事な役割でもあるので、ライブでは特に空気感とか世界観を一気に出せるように心掛けて弾いてます」

──リズム隊はどうでした?

ひなんちゅ「この曲は最初リムショット(ドラムの奏法の名称)なんですけど、上手く当たらないと音がちゃんと抜けないので、そこはかなりこだわって練習も重ねました。あとはベースと息を合わせながら、とにかく1音1音を大事に演奏してます」

あいにゃん「強弱とかも重要ですしね。この前MVの撮影で自分が演奏しているシーンを見直してたんですけど、まるで指揮をするように体を大きく動かしながら弾いてるんですよ。以前、ベースは赤ちゃんを抱いてあやすような感覚でやるといいって聞いてたんですけど、実際よく分かってなかったんですね。でもこの曲を通して、その感覚も分かってきたんです。それくらい感情を込めて、1音1音に集中して弾きましたね。ちなみにこの曲からジャズベ(ジャズベース)を使っています」

※続きは月刊Songs11月号をご覧ください。

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