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2010年にTBS系ドラマ『タンブリング』の主題歌として起用された『まなざし』で、一躍その名を全国へと広めたHoney L Days。俳優としての顔も持つ2人は、舞台やミュージカルの演者として、また音楽監督として、それぞれの個性と才能を発揮しながら音楽活動を続けている。2年振りとなる新曲について、またHoney L Daysが生み出す音楽の魅力についてじっくりと語ってもらった。『涙のように好きと言えたら』の生演奏動画と共にお楽しみください。



──久し振りのリリースですね。

MITSUAKI「はい、こうしてシングルをリリースするのは2年振りになります」

KYOHEI「ライブはコンスタントにやってますし、被災地で慰安ライブをやったりもしていたんです。ニコ生(ニコニコ生放送)の番組も定期的にやっているので、活動としてはとても充実してましたけどね」

MITSUAKI「それでも久々のリリースですからね。応援のメッセージなどもたくさんいただいていたので、それに応えたいなという気持ちで準備をしてきたし、KYOHEIを中心に曲作りも着々とやっていました」

──その2年振りの作品が『涙のように好きと言えたら』ですが、TBS系ドラマ『彼岸島』の主題歌としてすでにオンエアされていますね。

KYOHEI「はい、この曲はドラマのために書き下ろしました。ドラマの内容としてはSFホラーなんですが、Honey L Daysとして歌いたかったのはちょっと切なくなるメロディーに、等身大かつ印象に残る歌詞で歌いたいな、というものだったんです。原作を読み返しながら感じたのは、人間の根底にある心の闇とか葛藤を赤裸々に描いている部分。サビに出てくる“独り 部屋で流す 涙のように”という歌詞があるんですが、このフレーズで自分の中のテーマとか方向性が決まったんですよね」

MITSUAKI「涙って、自分の中で何か感情が動かないと出ないもの。素直な感情の表れとして出るものだと思うので…、僕もまぁ、そういう時は泣きますね。でも、どちらかというと堪えてしまうほうなんですけど」

──男性でも、感動とか達成感を感じた時に流す涙は素敵ですよね。

MITSUAKI「それはありますよね」

KYOHEI「うん、カッコいいと思う」

──その“涙”というキーワードからどういう風に仕上げていったんですか? 音作りのこだわりなどもかなりありそうですね。

KYOHEI「本当にその通りで、かなりこだわりましたね。メロディーや歌詞は当然ですが、音作りにしても、パッと聴いて僕らのサウンドだと分かるものにしたかったんです。地上波のドラマでも流れるからこそ、自分達の一番ベストのスタイルをそこに乗せたかった。その点は一切妥協せず作りましたね。曲作りには3か月ちょっとかかったんですが、その時間があったからこそちゃんと歌に向き合って作れたんです。自信を持って“Honey L Days、2年振りです”と言えるリード曲になりました」



──アレンジをしていく上で大事にしていることは?

KYOHEI「楽曲そのもののアレンジで言うと、少しでもその曲の世界観が伝わるように色んなことを考えますけど、僕らボーカリストの中での在り方として考えると、“じゃあいつものように主旋(律に)いくから、下でハモって”っていう単純なことじゃなく…、歌に魂を乗せるための役割分担を綿密にしているつもりなんですよね(笑)。ボーカルが入れ替わるとか、ユニゾンが急にハモリに切り替わるとか、急にソロになるとか、色んなことをやっています。きっと聴き手はその1つ1つに意味を感じてしまうと思うので、だからこそ丁寧に、心地良く感じられるように、そしてちゃんと伝わるようなボーカルアレンジじゃないといけないって常に思っています。今回の曲は普段より苦労しましたね。だけどその分、この曲にしかない僕達のバランスができたかなと思います」

──たぶん、ものすごい企業秘密があるんでしょうね(笑)。

MITSUAKI「いやいやそんなことないですけど(笑)、でも本当に時間はかけましたね。ボーカル録り1つとっても、1人1人がまず歌ってみて、“この歌詞のこのメロディーはKYOHEIのほうが合うね”って細かくやっていったので。今回のサビも、ハモるとちょっとメロディーの威力が薄まってしまう気がして、あえてユニゾンにしたんです。録っては聴き、録っては聴きを繰り返していったんですが、それが逆に楽しくもありましたね」



──なるほど、そこに楽しみがあるんですね。

MITSUAKI「そうなんですよ」

KYOHEI「2ndアルバム(2011年11月リリースの『change』)とかだと、サビになってもボーカルが1人のままだったりっていうチャレンジをしていた時期なんです。で、今僕らのチーム内では“新章”と言っているのですが、Honey L Daysの新章第1弾として出すものとしては、この2人が2人である必要性というか、お互いがお互いを求め合ってここにいる証みたいなものを大事にしたんです」

──2人の声とギターがあればHoney L Daysになる、という簡単なものではないんですね。

KYOHEI「Honey L Days自体がそうなんですけど、MITSUAKIと歌いたいって思う曲って世の中にあんまりないんですよ。それは、自分の中にしかない。ギターを抱えて向き合っていく時間の中でしか生まれなかったりするんです。ギターのフレーズとか音とかメロディーラインとかだけ切り取って言えば、音楽の世界ですから似て非なるものはたくさんあるんですけど…。でもそれを求め続けるというか、そこにしか答えはないのかなと思うし、それを、ありがたいことに楽しく続けられていることに感謝しながら、今も制作に打ち込んでいられてる感じなんですよね」

──なるほど。ちなみに次は、すでに発表されていますが来春公開予定の映画『L♡DK』(主演・剛力彩芽)の主題歌も手掛けられるんですよね。

※続きは月刊Songs1月号をご覧ください。

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