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ポジティブなエネルギーに満ちたleccaのニュー・アルバム『TOP JUNCTION』。RHYMESTERを迎えた新曲『Sky is the Limit feat.RHYMESTER』や、2013年の夏フェスでいち早く披露されていた夏讃歌『SOLA』などを含む本作からは、これまで以上にパワフルで、迷いのない言葉と共に前進するleccaの姿が浮かび上がってくる。2014年春のツアーが早くも楽しみになるような、生命感と躍動感溢れるアルバムだ。

──今作から感じるエネルギー、とんでもなく強烈でした。

「強さは確実に前作よりあると思いますね。前作『ZOOLANDER』(2012年12月)はすごく“楽しい”ということをテーマに作ったアルバムだったのですが、今回はそういう楽しさは全く考えませんでした(笑)。自分がやりたいこと、自分が聴きたい音楽を作っていった結果、自分の原点というか、ヒップホップやレゲエ、ダンスホールのミュージックのような強い音楽が好きで始めたっていう、自分の原形にまた戻っているのかなって気がしましたね」

──自然とそういうふうに向かっていったんですか?

「いや、違いましたね。求められることだけをやっていくと、自分の原形を忘れそうになってしまっていたんです。なので自分への戒めの気持ちもありましたし、自分が信頼しているスタッフへの挑戦状みたいな気持ちもあって(笑)。また来年(2014年、以下同)以降、自分はこういうところを目指していきたいんだっていう意志表示みたいな意味もあったんです。自分が一番いいと思ってやらせていただいていること──ヒップホップやレゲエっていう音楽に私達日本人の言葉を入れてどこまでできるかっていうことを、自分は毎回実験のような気持ちでやらせてもらっているのですが、まだ全然納得がいっていないんです。自分がやってきたことにも、自分が出してきた結果にも。もっとできるはずだと思うし、もっとやらなきゃいけないしっていうのを自分自身にも1回投げつけて、スタッフやファンの方にも、意志表明として見てもらいたいという気持ちがありました」



──その決意や気迫みたいなものは、リリックの端々からも感じられました。

「ただ『ZOOLANDER』は楽しいアルバムで、これ(『TOP JUNCTION』)はソリッドでストイックっていう印象だと思うんですけど、私は実際やっていてすっごく楽しかったんですよね。私は2日に1回ぐらいジョギングをしながらツアーの体力作りをしてるんですけど、走りながら聴いていると、すごくパワーを掘り起こされるというか」

──そう、パワーがみなぎってきますよね! でもそういう気持ちと同時に、個人的にはすごく恋をしたい気分になったんです。ちょっとヘンですかね(笑)。

「それは面白いかも(笑)。でも、このアルバムは聴いた人の物語になるので、たぶんその人が向かいたいほうに背中を押されているんだと思うんです。私は自分でこれを書いて自分で聴いていて、もう来年のアルバムに向かっていますからね。自分が思い描いていた自分というのを超えて新しい自分になってみようとか、自分が思っていた限界はここだったけど、全く新しい自分はもっといいことができるかもしれないとか、そういう気持ちを後押ししてくれるような印象の曲が多いですからね。そこまで直球で言えているかどうか分からないけど」



──躊躇していたり、分岐点の一歩手前でどっちに行こうか迷っている気持ちにも火がつきますね。

「音楽のいいところって、勝手にそこにパワーを込められるところだと思うんです。自分の中からは湧き出てこないパワーなんだけど、何か曲を聴いた時に、耳から脳に入って自分の経験を通して考えてみたら、“自分はもっとできる気がする!”とか、“自分にも新しい幕開けが来る気がする!”って思わせられることは、音楽のすごい力なんですよね。誰でもそうだと思うけど、1人で生きることはものすごく孤独でものすごくハードなこと。それができている人なんてほとんどいなくて、きっとみんな自分の中からは出てこないエネルギーをどこかに求めたり、どこかからもらったりしていると思うんです。その1つの方法が音楽。聴くことによって、その人の脳内で色んな景色や色んな人の顔が浮かんで“頑張ろう”と思えたりするのって、いいセラピーでもありますよね。そういう効用がある音楽は素敵だなって思っているので、(このアルバムも)そうなるといいなとは思います」

──今回の収録曲についてですが、1曲目の『RUNWAY』はこれまでになかったタイプですね。

※続きは月刊Songs1月号をご覧ください。

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