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岡平健治からニュー・シングル『勇者のウタ』が届けられた。アルバム『ニッポンの唄〜喜びのうた〜』(2012年3月)以来、約2年振りのリリースとなるこの曲は、アコースティックギターを軸にした温かいサウンドと“笑ってね。心の中。奥底に溜まっている幸せがある。”という前向きなメッセージが1つになったナンバー。5月末からは、全国47都道府県・52公演に及ぶ“弾語り自走ツアー”もスタート。岡平健治の活動はここから、再びスピードを上げていくことになりそうだ。
Photo:松井伴実 Text:森 朋之

──ニュー・シングル『勇者のウタ』、じっくり楽しませていただきました。新作のリリースは約2年振りですが、この間はライブ活動が中心でしたよね。

「そうですね。曲も書いていたんですけど、自分としては“ライブの技術をもっと上げたい”という気持ちがあって、そっちのほうを一生懸命やっていた気がします。ライブの数を増やすのも大事だと思うし、ソロで2時間半のライブを成立させる精神力を養いたいなって」

──これほどキャリアがあっても、さらに上を目指すと。

「そんなに大したキャリアではないんですけどね(笑)。1人で2時間半のライブを1本1本重ねることで、自分の中で自信に繋がってるし…。実際は1人ではないんですけどね、お客さんもボーカルというか、結構一緒に歌ってるので」

──“19(ジューク)”“3B LAB.☆S”を含め、色んな時代の曲を歌っているんですか?

「はい。中学時代のバンドの時の曲も歌っているから、もはや何を歌ってるか分からなくなってるんですけど(笑)。振り返ってみると、ホントに色んなスタイルでやってますからね。ジャンル的にも色んな曲を作りすぎちゃったかな、と思ったり。まぁ、できちゃったものは仕方ないんですけどね。あとね、セットリストは決めてないんですよ」

──ステージの上で決めるんですか?



「そうそう。譜面を持っていって、“次、何を歌おうかな?”って(笑)。全部自分で決めてます」

──毎回違うメニューって、ファンにとってはすごく嬉しいですよねぇ。では、今回のシングルについて聞かせてください。何かテーマになるようなものはありましたか?

「よりたくさんの人に聴いてもらうためには、やっぱりパイロットになるようなシングルが必要じゃないかなって。もちろん、そこからアルバムに繋げていきたいんですけどね」

──『勇者のウタ』はすごく前向きな意志を感じさせる曲ですね。

「去年の9月の終わりにツアーから帰ってきた時、すごく大きな虹が出たんですよ。それに感動して作ったんですよね、この曲は。写真も撮ったんですけど…(と虹の写真を見せてくれる)」

──うわー、すごいですね! めちゃくちゃキレイ!!

「ちょうど下校時間で、子ども達が“虹が出てる”って騒いでたんですよね。それをiPhoneで撮ったのがこの写真で。何ていうか、ご褒美をもらった感じがしたんですよね。“健治、頑張ったね!”って音楽の神様が祝福してくれている気がしたというか。あとね、今年の1月に実家の愛犬が亡くなったんです。その時に友達が“虹の橋”(※ペットを失った動物愛好家の中で広く知られている、原作者不詳の散文詩)のことを教えてくれたり、色んなことが繋がって。ちなみに3B LAB.☆Sの『光』(2007年6月)という曲に“光る虹をみつけた一番最初に/教えたい 教えたい”という歌詞があるんですけど、虹の写真をフェイスブックにアップした時、ファンの人が“有言実行ですね”っていうコメントをくれたんですよ」

──温かい気持ち、前向きな気持ちが連鎖していくというか。

「僕の作る曲って、もともとは後ろ向きな感じが多いんですよ。でも、その時は前向きな曲を作りたかったんですよね。あと、深い歌詞を書きたくなかったというか、とにかく歌っていて楽しい曲にしたかったんです。ユーザーの気持ちになってみると、ありとあらゆる情報を得ているし、いっぱいいっぱいだと思うんですね。だったら、もっと分かりやすい曲がいいんじゃないかなって。シンプルで前向きで……周りの人達がそういう気持ちにさせてくれたんですよね。たぶん、これを聴いて涙が出てくる人は、すごく頑張ってる人だと思います」

──サウンドもすごくシンプルですよね。最近は打ち込みをベースにした音数の多い曲が多いから、こういうアレンジはとても新鮮に聴こえました。



「リズム(パート)はカホン(※ペルー発祥の箱型の打楽器)だけですからね。アコギがドラムの代わりになってるというか、スネアやハイハットのガイドもしてくれていて。それくらいのパワーがあるんですよ、ホントに。あとは千葉ちゃん(※共同プロデューサーの千葉貴俊)のサイドギターも響いてるし」

──2曲目の『光合成』については?

「植物を育ててるんですけど、植木の植え替えをしている時に思いつきました。そういう作業が好きなんですよね。元気がないヤツ(植物)がいたら、栄養剤を買いに行ったり」

──生活と音楽が密着しているというか。“求めるモノと求められるモノ。”という歌詞も印象に残りました。この感覚って、音楽活動の中にも存在しますよね…?

※続きは月刊Songs5月号をご覧ください。

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