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絢香の新曲『にじいろ』。優しくて温かい気持ちに包まれ、思わず口ずさみたくなるこの曲は、吉高由里子主演のNHK連続テレビ小説『花子とアン』の主題歌としてもオンエアされている話題曲だ。カップリングには、彼女の表現力の高さに息を呑むバラード『幻想曲』を収録。興味深い楽曲制作の過程や、夏から始まるツアーについても話を聞いた。
Photo:秋倉康介 Text:山田邦子

──ドラマが始まってそろそろ2か月(取材時)。『にじいろ』が流れてくると、毎日すごく温かい気持ちになりますよ。

「嬉しいです、ありがとうございます。出かける準備や家事をしながらサラッと聴けるんだけど、気付いたら一緒に歌ってた…みたいな曲になるといいなっていうイメージは、曲を書く前からありました。半年間、毎日聴く人にとって重くない、良い意味で軽さのある曲にしたかったんです。花子が歩いていく道をそっと応援できるような、そして、その花子という存在にドラマを見ている人が自分を重ねていけるような、温かい曲になったらいいなと思いながら書いていきました」



──確かに、思わず口ずさみたくなるような曲ですよね。優しくて温かいメロディーが印象的です。

「アタマの“これからはじまるあなたの物語”っていう部分のメロディーが浮かんだのは、ホントにふとした時だったんです。ちょうど朝の時間帯だったんですけど、家で犬達と遊んでいたんですね。気持ちいい光が射していて、“カワイイなぁ”なんて思って見てたんですけど、私に向かって走ってくる姿を見た時に自然と浮かんだんですよ。それで遊びはちょっと中断して、そのままピアノに向かいました」

──絢香さんの日常の中にキッカケがあったんですね。歌詞はどんなふうに書いていったんですか?

「実はこの曲を書いている最中に、たまたまですけどすごく落ち込む悲しいことがあったんです。あまりにも悲しいことや辛いことが起きた時って、全ての色がなくなるような、何も感じなくなるような状態になってしまうけど、時間が経つと、それも自分にとって意味があることだったんだろうなって思える瞬間がくる。そして、そうやって腑に落ちるというか、1つ乗り越えられたなと思えた時にこそ見える景色があるんだなと思ったんです。花子もそうですよね。色んな困難を乗り越えているからこその強さや輝きを持って生きている。何かを乗り越えた先に見える景色、それを“にじいろ”という言葉で表現したんです」



──あの美しい虹も雨が降ったからこそ見えるものですしね。

「言葉では表せないような深みを持っている人や、なぜか分からないけどすごく惹かれてしまうような人って、きっとそういうことを何度も乗り越えてきたからなんだろうなと思うんです。1つ1つのことがその人になり、1つ1つのことが自分になっていく。無駄なことなんてない、改めてそう実感したんですよね。そう考えると長く続く道がすごくワクワクするものになって、どんどん変わっていく景色の中でポジティブに生きる花子の姿が浮かび上がってきたんです。この曲が書けたことは、自分にとっても大きな意味があったなと思いました」

──レコーディングはいかがでしたか?

 



※続きは月刊Songs7月号をご覧ください。

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