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ここから彼女の新しいキャリアが始まる。そのことを確信させてくれる、充実作だと思う。大塚 愛が5thアルバム『LOVE LETTER』(2008年12月)以来、約5年半振りとなるオリジナル・アルバムを完成させた。タイトルは『LOVE FANTASTIC』。最新シングル『モアモア』を始め、『ゾッ婚ディション/LUCKY☆STAR』(両A面)、『I♥×××』『Re:NAME』などのヒットチューン、さらに新曲4曲を加えた本作は、質の高いポップチューンがたっぷり楽しめる作品に仕上がった。シンガーソングライター・大塚 愛が辿り着いた、軽やかで奥深いラブソングをしっかりと味わってほしい。
Photo:秋倉康介 Text:森 朋之

──ニュー・アルバム『LOVE FANTASTIC』がついに完成しました! 何と5年半振りですね。



「オリジナル・アルバムはそうですね。『LUCKY☆STAR』みたいに2010年リリースのシングルが入っていると、“すごく長いな”と思います(笑)。これ以上長くなると、どうやってまとめるんだ? ってことになっちゃうかもしれないし。まぁ、私としては“気が付けばアルバムを出してなかったな”っていうくらいなんです」


──新曲も4曲入っていますが、不思議と統一感のあるアルバムになっていますよね。

「アレンジャーが2人(Ikoman、hiroo)いるんですけど、最初は“同じアルバムに入れたら、どうなるんだろう?”って不安だったんですよ。でもバラバラにならずに、上手く混ざりましたね。『LOVE LETTER』を出した時に“このあとは自分の好きな音楽を提案していこう”と思ったんですけど、そこはブレなくやれたんじゃないかなって」

──なるほど。アルバムのタイトルになっている『LOVE FANTASTIC』は、いつくらいに創ったんですか?



「創ったのは一昨年です。出産後しばらくして、少しずつ楽曲創りを始めてた頃かな。“よし、今からやるぞ!”というスタートではなくて、思いついた時にチラホラやるっていう感じだったんですけど(笑)。『LOVE FANTASTIC』を書いた時は、なぜか学生時代のことを思い出していたんですよ。ファミレスとかに好きな人といて、実際には何も始まってないんだけど、自分の中ではスタートしちゃってるっていう恋の感じだったり…。あと、娘を産んでから、“私が今まで経験してきた恋は、何て薄っぺらかったんだろう”ということにも気づいたんです。娘に対する気持ちによって、それまでの恋愛に対する概念が覆されたというか」

──新しい価値観、感情に出会った、と。

「そうですね。そうやって何かが始まるタイミングって、すごくファンタジックだなって思ったので」

──物事が新たに生まれる時って、すごく不思議ですよね。何がどう作用したのか分からないというか。

「そうですよね。自分の音楽はどこからスタートしたのか? って考えても、よく分からないですから。デモテープを送った時なのか、楽曲創りを始めた時なのか、ピアノを習い始めた時なのか…。何ていうか、操られているような感覚もあるんですよ、自分の人生って」

──運命みたいなものに?



「そういうことになるのかな。最初から台本があって、その通りに進んでいる感じがするというか。私、思い立ったらすぐに行動しちゃうほうなんです。“今行かなくちゃいけない気がする”とか。だから、余計にそう思うのかも。誰と出会って、誰と結婚して…みたいなことも、全然予想してなかったですからね。もし誰かに転がされていたとしても、“転がされてやってる感”は出したいんだけど(笑)」



※続きは月刊Songs8月号をご覧ください。

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