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ザ・クロマニヨンズが新作『GUMBO INFERNO』をリリース。タイトルの意味は“ごった煮”。今回のアルバムには(これまでと同じように)彼らの好きなサウンド、好きなやり方、好きな生き方がごった煮になった、最高のロックンロールがパンパンに詰まっている。『GUMBO INFERNO』を巡るアレコレについて、甲本ヒロト&真島昌利に聞いた。
Photo:秋倉康介 Text:森 朋之

──月刊Songsを発行しているドレミ楽譜出版社はバンドスコアをたくさん出してまして。

甲本ヒロト(以下、甲本)「いいですねぇ」



──お2人はバンドスコアを使ったことってありますか?

甲本「使うって、どんな時に?」

──例えば“ビートルズの曲を演奏したい”と思った時とか…。

真島昌利(以下、真島)「僕らの時代はみんな耳コピでやってました。楽譜は出てたけど、バンドスコアってなかったから」

甲本「コード譜とかね」

真島「“ビートルズ80”っていう楽譜があって、80曲、ビートルズの曲の楽譜が載ってたんですよ。歌の音符が並んでて、その上にコードが書いてあるんだけど、ベースとかリードギターとかドラムは全部耳コピして」

甲本「聴けばだいたい分かるからね」

真島「あとはフィルムコンサートに行って、どのポジションでジョージ(・ハリスン)が弾いてるのかを見たり」

甲本「そうだね」

──では、新しいレコード『GUMBO INFERNO』の話を。

甲本「はい。知ってることは何でも話します」

──2006年にザ・クロマニヨンズとして活動をスタートさせてから、ほぼ1年に1枚のペースで新作を出し続けていますが、新しい曲を作る楽しさって、どんなところにあるんですか?

甲本「あの、自分で焼いたクッキーって美味しいじゃないですか。お店で買ってきたのもいいけど、自分で工夫しながら作るのもいいでしょ? そんな感じだと思ってください、自作の曲を演奏するのは」

──そのことに全く飽きてない、と。

真島「うん。楽しいよ」

──ロックンロール以外には、ずっと飽きないものってないんですか?

甲本「色々あるよ。見たい映画はいつでもあるし、テレビも見るし。何だって楽しいよね?」

真島「うん」

──ヒロトさん、虫も好きですよね。標本を作ったり。

甲本「そうそう。子どもの時は上手くできなかったんだけど、40も超えるとすげぇ上手くなるよ(笑)。“生きてる時、こんな格好してたなぁ”って思い出しながら虫を固定するんだけど、300本くらい針が必要なんだよね。まぁ、そればっかりやってるわけじゃないけど」



──好きなことをずっとやってると上手くなるっていうのは、バンドも同じですか?

甲本「上手くなってる気がするけどね、分かんないけど。なってたらいいな」

──まぁ、上手くなることが目的ではないですからね。

甲本「そうだね。やっぱり楽しいのが一番だから。でも、ラクと楽しいはちょっと違ってて。…この話になると、いつも“Fで挫折した”っていう話になるんだけど」

──ギターを始めて、Fのコードが押さえられなくて辞めるっていう(※Fはギター初心者の最初の壁と言われる)。

甲本「そこを超えるのはラクじゃないんだよね。挫折した人は、どこかでラクを選んだのかも。“できない。今日は寝よ”とかね。そこで寝ないで練習すれば、Fが弾けるようになるんだけど」

※続きは月刊Songs10月号をご覧ください。


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