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今年、ソロ・デビュー10周年を迎えた清木場俊介。これまでソロとして発表した楽曲をリアレンジして唄い直したベスト・アルバム『唄い屋・BEST Vol.1』(3月)のリリースや、アコースティックのライブ、フリーライブのツアーを行なうなど、これまで以上に精力的かつ幅広い活動が続いている。そんな中、アニバーサリーイヤーの集大成ともいうべきニュー・アルバム『MY SOUNDS』も完成。30代になってからの自分を見つめた新たな一歩が、ここに刻まれている。
Photo:秋倉康介 Text:山田邦子

──ニュー・アルバム『MY SOUNDS』が完成しましたね。



「今回のテーマは“30(歳)を過ぎての表現の仕方”だったので、わりと今までにはなかった楽曲やメッセージになったかなと思っています。バラード、ミドルロックからアップテンポなロックまで、切り刻んで表現するというよりは、ちょっと余裕を持って訴えているメッセージ性が強いですね。今までは身を削って自問自答しながら曲を作り、自分に対して唄っていたところが多かったんですが、今はわりと先を見て唄っている曲が多い気がしています」

──年齢的に重ねてきたものがあるから、そういう表現もできるようになったと。

「そうですね。ようやくこのアルバムから、30歳を超えて掴んできたものが形にでき始めたなと」

──攻めているんだけど、先を見ているような感覚もありますよね。

「そうそう。走ってないってことかな。焦って背伸びして“あそこに行くんだ!”というより、ドッシリ構えて一歩一歩行こうっていう。歌詞に関しては自分の中にあるものをその時々の表情とか表現で書いているので、今までと“違う”というよりも、また“新しい”自分が書けたという感覚でしたね。常に進化していたい、変化していきたいという気持ちはあるけど、このアルバムに辿り着けたのも、これまでの自分があったからだと思っています」

──キャリアもイメージも楽曲も、重ねながら変化していく。

「難しいですけどね。でも焦りはないんですよ。新しい曲を発表して、例えばライブでもまだノリが掴めなかったりする部分があるかもしれないけど、そこからどう育てていくべきかって考えることが大事だと思うので。だって『唄い人』(2005年10月リリースのソロ1stアルバム『清木場俊介』収録)を最初に聴いてもらった時、“何だ!? この曲?”って言われたことがあったけど、こうしてソロで10年やってきて、ようやく“そういうことだったんだ”って分かってもらえるようになったんですよ。曲にも歴史が必要なんですよね。そういった意味でも、1日1日、1年1年の積み重ねが重要。このアルバムに限らずだけど、今この1枚をすぐ分かってもらおうって焦ることはないです。この曲をこの先何年も唄うことが、その説明になっていくと思うから」

──なるほど。



「聴いてすぐ馴染んで、いきなり何十万枚も売れるような音楽ではないですからね。ロックは。やっぱり自分の歴史とか生き様と同じように曲も歴史となっていくので、そういう意味でも僕はゆっくりやっていこうと思うし、そういう部分を踏まえてドシッと構えて詞を書いているんです」

※続きは月刊Songs10月号をご覧ください。


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