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“Rock・Roots・Ryuichi(=RRR)”をコンセプトにしたミニ・アルバム『never fear』を河村隆一が10月1日にリリースする。それは現在全国ツアーを行なっているLUNA SEAでの経験を反映させたもの。まさに“Rockな河村隆一”が味わえる1枚になっている。
Photo:竹中圭樹(D-CORD) Text:髙橋栄理子

──今回の作品は“Rock・Roots・Ryuichi”をコンセプトにしたミニ・アルバムということなんですが、どういう経緯で、この1枚を作ろうと思ったんですか?

「今まさに14年振りのLUNA SEAの全国ツアーをやっているんですけど、そこで得た感覚っていうのをアルバムに生かしたいなと思ったんですね。それで、こういうコンセプト・アルバムをやってみようと思ったんです」



──自分の根底にあるものを見つめ直して。

「そうですね。やっぱり僕が一番音楽を学んだというか、吸収したのはLUNA SEAだし、LUNA SEAのメンバーと共に10代からずっと音楽をやり続けてきたんですよ。ROCKにも色んなバンドがいますけど、僕が生まれ育ったのはLUNA SEAという場所だから、そこにあった音楽達をアレンジとかも含めてモチーフにして作ってみたら面白いかなと思って」

──そうやって作ってみた結果、何か再確認や新たな発見はありましたか?

「一番分かりやすく言うと、やっぱり人なんだなっていうことですね。どんなにコンセプトを近づけてもLUNA SEAにはならない。単純に言えば、今まで作ってきた僕のソロ・アルバムのテイストよりも、ギターのトラックの音量を上げたりすることで、聴き触りとして激しいロックに聴こえるなっていう意味で今回見えてきたものはあったんですよ。でも、(楽器を)弾く人間のタイム感や音色、表現しようとするものの差というのは、人間によって出るということも分かりました。それはどっちが勝っているということではなくて、SUGIZOの色、Jの色、INORANの色、真矢くんの色というものがあってLUNA SEAが存在するということ。それを他のメンバーでやろうとしても、同じようになるわけではないなと思ったんです」



──ただ、LUNA SEAの音にはならなくても、隆一さん自身のルーツやベースにあるものを表現した作品にはなっていますよね。

「それはできたと思っています。僕が当時一番好きだった世界観や、LUNA SEAと共にあった自分の居場所みたいなものが今回のアルバムでは少し作れたのかなと思っています」

──LUNA SEAもそうだったんですけど、やっぱりどの曲もメロディーがステキですよね。だから、スッと耳に入ってくる。

「初期のLUNA SEAはメロディー先行型というより、コードとバッキング先行型だったんですね。だから、僕はそのLUNA SEAの音楽の中にポップスの要素を入れたいなと思って歌っていたんです。その化学反応が、すごく初期のLUNA SEAには表れていたんじゃないかと思います。もちろんメンバーが持ってきてくれたモチーフの中には歌詞やメロディーもフィックスされていたものもあったんですけど、だいたいが、この8小節の歌メロをちょっとRyuが考えてみてっていうパターンだったんですね。だから、僕がそこで歌い続けていって、その中で一番いいものを残すっていう形が多かった。例えば今回の楽曲では『never fear』なんかもそうなんですけど、バックトラックから作ってメロディーを最後につけるっていう試みをいくつかしているんですよ」



──なるほど。そういうやり方もLUNA SEAのものを踏襲しているんですね。

「そうですね。それと『愛の唄』はSUGIZOが弾いてくれて真矢くんが叩いてくれているんですけど、実は、もともとLUNA SEAのために作った楽曲だったんです」


※続きは月刊Songs10月号をご覧ください。

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