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1年の“休憩”を経て2013年7月から活動再開し、2014年9月16日に結成25周年を迎えたthe pillowsが、バンドというものの素晴らしさを改めて歌う『ムーンダスト』をリリースする。山中さわお、真鍋吉明、佐藤シンイチロウの3人がいなければthe pillowsは成り立たず、25年の歴史は生まれなかったのだ。アニバーサリー・イヤーとなったこの1年を振り返りながら、山中は率直にthe pillowsについての思いを語ってくれた。
Photo:秋倉康介 Text:今井智子

──『ムーンダスト』は素敵なタイトルですね。



「これは言うのがすごく恥ずかしいんですけど、“ムーンダスト”という青いカーネーションがあって、その花言葉“永遠(の幸福)”からきてるんです。まさかの花言葉を覚えていたっていう」

──ロマンティックですねぇ。誰かにプレゼントでもしたとか?

「いや、新幹線の車内にあったんです。サントリーが開発した青いカーネーションって。僕、青い花が好きなんですよ。『ONE LIFE』(10thシングル/1997年6月)の歌詞で“青い芥子の花びら”と使ってるぐらいで、青い花に“ん!?”って惹かれるクセがあって。その青いカーネーションは全部惹かれたんです、花の写真も“ムーンダスト”という名前も。“スターダスト”じゃなくて“ムーンダスト”って面白いって。それで花言葉は“永遠(の幸福)”とあって、これはちょっと素敵だなと思って覚えていたんですね。それで今回タイトルにしようと思って。ジャケットも荒れ地に青いカーネーションが咲いていて、ライオンの雄雌が歩いているという」

──このアルバムは26年目の第一歩、25周年の締めくくり、どちらでしょう?

「どちらかと言えば26年目の第一歩ですけど、詞・曲を作ったのは25周年のうちなので、歌詞の内容とかを分析すると25周年を締めくくる感じになるのかな。よし、またやるぞ! という気分のほうが強い曲だと思います」

──曲はいつ頃できていたんですか?

「ほとんどの曲が去年のうちにできていたと思います。『ムーンダスト』『ハッピー・バースデー』『プレイリー・ライダー』は、もっと前ですね。発表と関係なく活動休止をメンバーと決めて、僕はソロの『破壊的イノベーション』(ソロ3rdアルバム/2013年2月)を作っている時に、デモテープを1人で作ってた。『プレイリー・ライダー』は、(ソロ・ライブのメンバー)楠部真也(Dr)と鈴木 淳(B、the pillowsのサポートも務める)とでデモを作ったりして。でもしっくりこなくて、これはthe pillowsでやったほうがいいなと」

──the pillowsで、という判断基準は?

「その3人でやった感じが全然ゴールが浮かばなかったので、シンイチロウ、真鍋くんとやったほうがうまくいくだろうと思って。結局すんなりいかなかったんだけど(笑)、ビートを変えたら一気に“これいいね!”ってなって。ギターもそうかな。自分が思い描いていなかった切り口で真鍋くんがアイデアを出して、それがしっくりきたので。本来バンドの醍醐味ってそういうところじゃないですか。自分が考えたものを上回るプレイを2人がしてくれる。それを強く感じているのが、『プレイリー・ライダー』と『都会のアリス』かな」

──『都会のアリス』はシングル『ハッピー・バースデー』(2013年9月)のカップリングでしたけど、アルバムで聴くと光る曲ですね。

「これ、結果すごく気に入ってるんですけど、『ハッピー・バースデー』を生かすようにサッと作って。バンドマジックですね」

──まさに『About A Rock’n’Roll Band』。この曲は先行シングルですけど、25周年を経たthe pillowsを歌ったものかと思いました。

「そうですね、この曲と『ムーンダスト』はそうですね」



──1曲目の『Clean Slate Revolution』もその流れでしょうか?

「歌詞はそうですね。“Clean Slate”はまっさらな状態という意味なので、活動休止して、復活して、出るアルバムの1曲目にはいいかなと思って」

※続きは月刊Songs11月号をご覧ください。


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