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男の悲しさや情けなさ、不条理や劣等感を包み隠さず歌い上げ、クスッとさせながらもハッとする人間の本質を捉えてきた空想委員会が、メジャー初となるシングル『純愛、故に性悪説』をリリースした。誰かの不幸せを願うという、彼らならではの切り口が冴えまくったタイトル曲はいかにして生まれたのか? 3人のキャラクターを余すことなく伝える、爆笑の動画インタビューも必見! 本誌と併せてお楽しみください!
Photo:笹原良太 Text:山田邦子

──新曲のタイトルが『純愛、故に性悪説』。何やら物議を醸すようなタイトルですね(笑)。



三浦隆一(以下、三浦)「何かもう、嫌われるよなって思いながら歌いました(笑)」

──“君よ不幸せであれ”とか“君をもっと苦しめたい”なんて歌詞もあって。

佐々木直也(以下、佐々木)「“不幸せであれ”って、ド頭で歌ってるからね(笑)」

岡田典之(以下、岡田)「あんまり言えないよね、そういうこと(笑)」

三浦「言うもんじゃないよね、普通(笑)」

──そもそも、どういう発想から生まれた曲なんですか?



三浦「失恋した直後、つまり相手のことを一番恨んでる状態の感情を歌いたいなっていうのが昔からずっとあったんですよ。でも、時間が経つとだんだん許せてきたりして感情が薄まるから、なかなか歌えなかったんですね。でも今回、色んなフラストレーションがたまって“今だったらいけるかもしれない!”というモードになったので、歌詞を書いてみたんです」

──フラストレーションも、曲を書きたいという衝動を駆り立てる1つの要素ですよね。

三浦「それ、結構僕の中では大きいですね。イライラとかが原動力になってることは多いです」

──“性悪説”とは中国の思想家・荀子が唱えた人間の本性に対する主張で、“人間の本性は悪であり、たゆみない努力・修養によって善の状態に達することができる”とする説だそうですね。



三浦「そういう性悪説と、性善説があるということを昔学校で習ったんです。授業で自分はどっち側だと思うかってディベートをさせられたりしたんですが、それがずーっと頭にあったんですね。で、そういえば失恋した直後って、相手の言い分とか完全に無視して“俺はこんなに思ってるのに、何なんだよ!!”って思ってた。つまり自分のことしか考えてない。そういうのは悪だよなって、結論に辿り着いたんです。純愛って言ってますけど、好きすぎるほど周りが見えなくなるので、それこそ悪いヤツになっちゃうよねっていう」

岡田「僕は“性悪説”という言葉は知らなかったんですけど、歌詞を読んで、“やっぱり誰でも思うことなんだ”ってすごく共感したんですよね」

佐々木「僕も知らなかったけど、そう思いましたね。フラれた直後は僕も“何、あいつ!!”って友達に悪口言ったりして、完全に悪だった(笑)。でもそのあとは、惜しいヤツをフっちゃったと思わせたいからオシャレになろうとか体鍛えようって、まさに歌詞にある通り(笑)。“いい男になっちゃうけど、いいんだな!?”っていう(笑)」

──まさに性悪説。キッカケが何であれ、自分を磨くというのはプラスになることですからね。三浦さん、その点はいかがですか?

三浦「6月にメジャー・デビューをしてバンドはどんどんいい感じになってるのに、空想委員会の委員長(=自分)を離れた三浦としてはヒドい状態です。部屋とかすごく汚いし(笑)。相変わらずダメな自分とバンドとの格差がスゴくて、そこにイライラしてフラストレーションがたまってたんですよ」

──そういうことだったんですね。



佐々木「でもそういう初期衝動みたいなものが、この曲にはすごく出てるというか。バンドのアレンジのほとんどは僕がDTMでやって、スタジオで合わせて微調整するんですけど、今回に関してはメロディーも歌詞もすごくストレートなものだったので、(それを生かすために)軽くアレンジして、スタジオで作っていこうと思ったんです。結果的には時間がかかってしょうがなかったんですけどね」

三浦「もめたね」

佐々木「すごい悩んだよね。色んなパターンを試してたので」

岡田「大変だったけど、そうやってできたものっていうのはみんなの大切な曲になりますよね」

佐々木「やってる時は地獄だけど(笑)」

三浦「でも毎回思ってるよね。今回、CDできないんじゃないかって」

※続きは月刊Songs11月号をご覧ください。

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