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映画界を破竹の勢いで席巻する二階堂ふみ。その出演最新作『日々ロック』では、表の顔はデジタル系トップアイドル、裏の顔はライブハウスで暴れまくるロック少女という宇田川 咲を演じる。自身が愛するセックス・ピストルズにも通じる“ロックな生き様”で、またも観客を魅了する。
Photo:竹中圭樹(D-CORD) Text:渥美志保
本誌には入江 悠監督のインタビューも掲載!

出演最新作『日々ロック』で2回目のタッグを組む映画監督・入江 悠は、二階堂ふみ曰く“現場に音楽の流れる人”。“呼んで”とお願いし、オファーが来た途端に“やる”と決め、“この人のためにはちきれよう!”という気持ちになれる監督だという。

「去年、2か月間だけニューヨークに短期留学していた時に、入江監督のフェイスブックにすごくたくさん“いいね!”を押していたら、ツイッターに“二階堂ふみがフェイスブックに「いいね!」ばっかりしてくる、暇なのか心配だ”って書いてきたんです。だから“仕事ください”って書いたら、オファーしていただけました。“いいね!”しといて良かったなって(笑)」



彼女が演じる役はデジタル系トップアイドル・宇田川 咲。“本当はロックがやりたい”という気持ちを抱え、その鬱屈を時にライブハウスで爆発させる酒乱(!)の美少女だ。そのキャラクター作りでは、ファッションの面でとことんこだわったという。

「アイコンとして作り込まれたアイドルの宇田川 咲と、素の宇田川 咲に、すごく大きなギャップを作りたかったんです。例えばネイルは、アイドルのほうはいつも行くネイルサロンで作ってもらった、すごく長いもの。でも普段の咲の爪はあえてボロボロにしました。ギターがすごく好きでいつも弾いているから。衣装では、アイドルの舞台衣装は衣装さんに任せきりでしたが、私服は全部自分でスタイリングしました。ファッション誌から出てきたみたいにおしゃれにしたかったので、知人や仲のいいブランドの方から借りたりして。洋服ひとつ、身に着けているものひとつとっても、彼女の哲学が詰まってないと意味がないと思ってたので」



二階堂ふみには珍しいキラッキラの衣装をまとった、ド派手なライブシーンにも挑戦した。実際に1,000人の観客の興奮を前にした撮影は、印象深い体験だったらしい。

「ライブのシーンは楽しかったですね。以前出演させていただいた映画『脳男』の舞台挨拶で、しゅぽーっと出た煙の中から生田斗真さんが出てくると観客がキャーってなるのを見て、すごく気持ち良さそうだなと思っていたんです。今回は自分がその立場に立たせていただいたんですが、黄色い歓声をあんなに浴びることなんてなかったので、あまりに気持ちが良くて、必要もないのにずーっと歌って踊ってました(笑)。去年は2回、舞台でお芝居をやったんですが、演劇の観客とは少し違うんです。もっと体温が高いような感じ。大勢の観客の前で歌い踊る、あんな大変な仕事が続けられるのは、ライブでファンからの生の力をもらえるからなんだなってことが、1ミリくらいは分かった気がします。すごくカッコいいなって思いました」



その音楽遍歴のスタートは、幼い頃に習っていたバイオリンとバレエを通じて触れていたクラシック。フランス映画が好きで、映画と音楽の両方で知られるセルジュ・ゲンズブールや、『ロシュフォールの恋人たち』(1967)のサウンドトラックが一番のお気に入りだ。その嗜好性はロックとは全く交わりそうもなく思えるが、実はセックス・ピストルズの大ファンでもある。衝撃の出会いは小学校6年生の時に、よく通っていた映画館の2階のレコードショップで。そして5年後の映画初主演作は、本作と同じ入江監督の音楽映画『劇場版 神聖かまってちゃん/ロックンロールは鳴り止まないっ』(2011)だった。

※続きは月刊Songs12月号をご覧ください。

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