前田敦子 *撮りおろし4ページ |
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──ヒロインの繭子(以下、マユ)を演じる上で、監督から言われたことはどんなことでしたか?
「マユは、“若い頃にこんな女の子と一緒だったら最高に楽しかっただろうな”という堤 幸彦監督の妄想から生まれたキャラクターで、原作のヒロインに“男なら絶対にカワイイと思うポイント”をたくさんプラスしたそうです。でも、悪意や作為で男性の気を引く“ぶりっ子とは違う”とも言われたので、ただ自由で天然な“恋している女の子”というイメージで、“女の子なら誰でも好きな相手の前で少しは変わるものだから”と納得しながら、役を作りました。原作の髪型はショートカットですが、映画は監督の指定でポニーテールに。毛先も80年代アイドル風にくるくる巻いています。衣装も当時のものですが、地方都市に住む女の子なので肩パットはナシ。当時はそれがダサかったらしいです」
──前田さん自身は、マユにどういう印象を持ちましたか?
「うーん、男の人ってやっぱりこういう女の子が好きなんだなぁって。“こう言うとこんな反応するんだ、こんなことに引っかかっちゃうんだ”っていうのはありますね。こんな分かりやすい“寂しい”アピール、客観的に見たら“ないでしょ~”って思うけれど、男の人はあのくらい単純なほうがいいんですね(笑)」
──この映画のもう1つの主役である80年代歌謡の魅力を、どんなふうに感じましたか?
「私はもともと懐メロ好きで、映画でかかる曲は知っている曲も知らない曲もありましたが、どれもいい曲。歌詞の内容がどこか古風というか、典型的な日本人好みの、真っ直ぐで純真な恋愛が描かれている気がします。例えば『君は1000%』とか『木綿のハンカチーフ』とか。堤監督は“80年代は自分が最も生き生きとしていた時代”とおっしゃっていましたが、きっとみんなが真っ直ぐで、キラキラしたいい時代だったんじゃないかな。その時代を知っている人は“そんなことない”って言うかもしれないけれど(笑)」
──音楽が映画のストーリーとシンクロする作りでしたね。
「その点が、今回の作品での堤監督のこだわりだったようです。脚本の時点でどの場面にどの曲をかけるか決まっていたのですが、原作にないのにハマっているのがすごいですよね。恋人の鈴木がマユに指輪をプレゼントする場面の『ルビーの指環』や、鈴木がマユに東京への転勤を告げる場面の『木綿のハンカチーフ』など、歌詞のまんまの場面もあります。撮影現場でも、その場面の曲を監督に聴かせていただいたり、曲付きの簡易編集した映像を見せていただいたりするたびにモチベーションが上がりました。一番印象的だったのは、私自身カラオケでよく歌う『木綿のハンカチーフ』。ラストに流れる『SHOW ME』も、80年代に青春を過ごした世代には鉄板の曲。ある意味では、この映画のテーマを表しているかもしれません」
※続きは月刊Songs5月号をご覧ください。