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ニコニコ動画に歌唱動画をアップし、驚異的な再生回数を記録している天月 -あまつき-。昨年7月にリリースしたメジャー1stアルバム『Hello, World!』を引っ提げての初の全国ツアーを完走したばかり。そのファイナル公演を収めた待望のライブDVDをリリースする彼は、どんな気持ちでステージに立っていたのだろう。彼の音楽に対する真摯な姿は、ミニマムな世界から表舞台を夢見る人が未来へ翼を広げるための、1つの指針にもなり得るはず。そんなメッセージのこもったインタビューをお届けします。
Photo:竹中圭樹(D-CORD) Text:恒川めぐみ

──昨年にメジャー1stアルバム『Hello, World!』をリリースして、今回はそのアルバムを引っ提げたライブツアーのDVDを発売。いい流れで音楽活動を展開していますね!



「そうですね、アルバムを発売したのがちょうど1年前なので。今、こうして活動できているのが不思議で、嬉しいです」

──まず、今春に行なった全国ツアーの手応えから教えてください。

「実は昨年末にも一度『「Hello, World!」-Prologue-』(以下、プロローグ)という、今回のライブの序章になるステージをやってからツアーがスタートしたんです。アルバムをテーマにしたライブは必ずやりたいと思っていたんですけど、それならまず最初に、一度“物語の始まり”のような形でライブをやってみたいなと思っていたんですよ。そのプロローグがあったからこそ、ああしよう、こうしようとアイデアを練ってツアーに出られたので、僕自身、初めての全国ツアーではあったんですけど、すごくいいライブサーキットになったなと思っています」

──アルバムはコンセプチュアルというか、ストーリー性と天月 -あまつき-さんのリアルがギュッと詰まった、独自の世界観を持つ作品でしたもんね。

「そうなんですよね。僕自身が生み出す物語でもありましたし、曲ごとにもそれぞれのストーリーが息づいているような作品で。そのリアルとファンタジーが交差する世界観を、ライブの2時間ちょっとという限られた時間の中で、ちゃんと情景が浮かぶようなものを作り上げたかったんです。2時間といえば映画とほぼ同じ長さだと思うんですけど、その中で、僕が経験したものとファンの皆さんと一緒に作った世界観、そしてこれから描いていきたい風景やメッセージを全て込めた物語をライブとして伝えたい、っていう気持ちが強かったです」




──ライブという1つの作品を作る感覚ですか?

「そうですね。アルバム=CDは耳に残るものだと思うんですけど、ライブは皆さんが実際に足を運んでくださって、その目で見て、1日の思い出として記憶に残るものですよね。だから衣装やステージセットを始め、セットリスト構成を含めて目でも耳でも、持てる感覚の全てで楽しんでもらえるライブになったなと思っています」

──そういうライブを作り上げるために、やはりバンドメンバーやスタッフさん達とのコミュニケーションは綿密にとっていた?

「何度もリハーサルを重ねました。1公演を終えるたびに“あそこはもっとこうしませんか?”とアイデアを出し合っていたので、ツアーファイナルまで視覚的にも聴覚的にも、伝えることに関しては常にこだわりを持ってブラッシュアップし続けていましたね」

──勝手なイメージなんですけど、天月 -あまつき-さんには少しミステリアスな印象があって…。

「えっ、そうなんですか!? 僕、ミステリアスですか(笑)?」

──私だけかな(笑)。たぶん、もともとが動画共有サイトというバーチャルな世界から出てきたシンガー、というイメージが強いからだと思うんですけど。

「あ、それは確かにあるかもしれないですね。分かります」

──それを、ライブというリアルな世界で生身の天月 -あまつき-さんを見る、ということはファンにとってすごく嬉しいことだと思うんです。ご自身はどんな気持ちでステージに立っていましたか?



「う〜ん。僕としては気取りすぎず、でもキメるところはちゃんとキメて、ライブという空気に酔いしれるのではなく“僕はこう歌っているんだよ”という姿を1曲1曲にしっかり乗せてパフォーマンスしようという意識でしたね。僕は僕らしく歌うこと。それだけです」

※続きは月刊Songs8月号をご覧ください。

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