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最新アルバム『黄金の心』(2014年11月)を軸にした全国ツアーを経て、森山直太朗からニュー・シングル『生きる(って言い切る)』が届けられた。題名通り“生きる”ことへの意志を真っ直ぐに描いたこの曲は、彼の新たな代表曲として、この先長く歌われることになるだろう。カップリングにはツアー最終公演の音源を5曲収録。生き生きとした生命力に溢れたボーカルをぜひ、堪能してほしい。また、今回のインタビューには森山直太朗に加え、楽曲の共同制作者である御徒町 凧も参加。『生きる(って言い切る)』の制作プロセスを深く語ってもらった。
Photo:竹中圭樹(D-CORD) Text:森 朋之

──まずは全国ツアー(「森山直太朗コンサートツアー2015『西へ』」)の手応えから聞かせてもらえますか?



森山直太朗(以下、森山)「月並みですけども、寂しさが4、どこかでホッとしているのが2、あとは疲れが2、疲労が2かな。“寂しさ”というのは、半年という長さのツアーを回ったのは久し振りだったんですよ。その分、メンバーやスタッフ、各地の会場に来てくださった方達に対する情が湧いてきて。それを断ち切るのにも時間がかかりましたね。“あの楽しさは、もう帰ってこないんだな”っていう」

──確かにファイナルの東京公演(6月24日@NHKホール)もスタッフのチームワークの良さ、観客との一体感が伝わるライブでした。では“ホッとしている”というのは?

森山「年末に『黄金の心』というアルバムを出して。言葉では“アルバムを引っ提げたツアー”ということですけど、アルバムの真価を問われる場所がコンサートだったりもしますからね。良いアルバムだったかどうかは、ライブの繁栄と成功が全てというか…。ツアーが終わった時、周りのみんなと100%の笑顔でハイタッチができたから、それは良かったと思いますけどね」

──アルバムの表題曲『黄金の心』がライブの軸になっていて。それこそが、アルバムの充実ぶりを示していたんじゃないかなと。

森山「うん、まさにそうでしたね。『黄金の心』という曲は、良くも悪くも的を射ないというか、“どこかで見つけるさ 黄金の心”なんて歌って、“え、まだ見つかってないの?”っていうことじゃないですか(笑)。答えがないというか、そういう掴みどころがない曲を本編の最後に歌うことで、その日の答えみたいなものが集約されるんですよね。そこで“なるほど、こういう歌だったのか”と解釈が深まることもあるし、“何だったんだろう?”と疑問に思うことも正直あって」



──もう1つ印象的だったのは、トークをふんだんに交えたり、歌謡ショー的な演出があったり、いきなり太鼓を叩いたり、エンターテインメントの要素も多いことで。

森山「やらなくてもいいことをやる、加えなくてもいいことを加えるっていうのは、僕の人間的に破綻している部分の1つだと思いますね(笑)。それはウィークポイントでもあり、チャームポイントでもあると思うんですけど、それをどこかで織り交ぜつつ……これは自分の解釈ですけど、そういうユルいところが、曲の導入になってたりすると思うんですよ。そういう意味では、(演出的な要素も)音楽の中の一部として捉えてもらえるんじゃないかなって」

──なるほど。

森山「例えば『愛し君へ』を歌ってシリアスな感じになっても、すぐに“え、今まであれを歌っていた人?”っていうくらい切り替えたり。その雰囲気に浸らないというか、ここ3年くらいは、そういう情緒不安定な感じでやってます(笑)。それは僕の軽薄さでもあり、演出の御徒町の“S”っぽさでもあり」



御徒町凧(以下、御徒町)「Sっぽさじゃなくて、緻密な演出だよ(笑)。今回のツアーは構成にもめちゃくちゃ時間がかかってるし。こうやってツアーの話を聞いてもらえるのはいいですね。それを経ての今回のシングルなので」

※続きは月刊Songs10月号をご覧ください。

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