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槇原敬之が音楽を求め世界を旅するCS放送「TBSチャンネル1」のオリジナル音楽紀行番組が、今年もいよいよオンエアされる。アイルランド、スペイン、イタリアに続く今回の目的地は、クリスマス色あふれるフィンランドだ。サンタクロースの住む街でどんな音楽に出会い、オーロラの下で何を感じ、どんな文化を吸収してくるのか。出発直前の某日、今回の旅への思いをうかがった。また、デビュー25周年を記念したアニバーサリーライブについても語っていただいたので、本誌掲載のライブレポートと共にお楽しみください!
Photo:秋倉康介 Text:山田邦子

──CS放送「TBSチャンネル1」で放送されてきた槇原さんの音楽紀行番組も4回目。今年はフィンランドを訪れるそうですね。

「そうなんですよ! 憧れの北欧なんですけど一度も行ったことがなかったので、すっごく楽しみにしているんです。日本では北欧の家具なんかもすごく人気ですけど、何でそんなに日本人の心を掴むんだろう? 共通点があるのかな? とかも思うし、あとは食べ物も! 全く行ったことのない文化圏なので、何を食べてどういうものを飲むんだろうとか、いろいろ興味があるんですよね。もちろん、音楽も。特に今回はクリスマスを迎える時期なので、すごく楽しみにしています」

──この旅は、いつもあえて詳しい情報や知識を持たずに臨まれていますよね。

「ちょっと話はズレるかもしれないんですけど、僕、スマホをずっと見ている人達を見ながら、いつもドキドキしているんです。スマホを見ながら歩いている人とか見ると、この人達はこうやってうつむいたまま生きて死んでいくのかなって。僕は携帯電話を携帯しない男なんですね(笑)。百聞は一見にしかずだなというか、人とか情報にまとわりつかれるよりは、そこから離れて、粛々と自分の思いを育てたいタイプなんです。だからこの旅のように、行ったことのない場所とか知らない場所に行くっていうのがすごく楽しい。リアリティーが大事だと思うんでね、うつむいていては見えない世界を知りたいなぁって、いつも思うんですよね」

──この旅を始めて、人との向き合い方や音楽との関わり方は変わってきました?

「変わりましたね。自分の中で、より赴き深くなってきたというか。前回のナポリ(イタリア)ではカンツォーネを歌ったんですけど、符割りを教えてもらった時に、“あれ? 僕が教えられたのとは違うぞ”って発見したんですよ。高校1年の時に原語で歌う『オー・ソレ・ミオ』っていうのを授業でやったんですけど、あの時教えてくれた先生、符割りを間違えてたんですよね。“えぇっ!?”って、非常に憤りを覚えましたよ(笑)」

──今になって(笑)。

「そう(笑)。あと、いつもそうなんだけど、帰ってきて1年ぐらい経ってから、行った場所の出来事とかの影響が出てくるんですよね。そんなすぐには、行って感じてきたことをまとめきれなくて」

※続きは月刊Songs2016年1月号をご覧ください。

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