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ファンキー加藤のニュー・シングル『ブラザー』。タイトル曲は、6月11日から公開となるファンキー加藤の初主演映画『サブイボマスク』の主題歌として書き下ろされたものだ。兄弟愛をテーマに書き上げたという本作は、どんな過程を経てでき上がったのか。また、自身が手掛けた劇中歌(※本シングルには未収録)やライブシーンのエピソードなど、“表現者・ファンキー加藤”としての興味深い話を聞くことができた。
Photo:竹中圭樹(D-CORD) Text:山田邦子

──新曲『ブラザー』は、映画の撮影を終えてから作られたそうですね。役の余韻が残った中での作業だったんでしょうか?



「余韻どころか、もうホント大変でしたよ。1か月間ミュージシャンという肩書きを捨て、イチ新人俳優として、イチから学んでいこうというスタンスで(撮影場所である)大分県に乗り込んでいったわけですからね。東京に戻ってきた時にすごい違和感を感じるくらい役に入り込んでたから、スタジオに入ったからといってすぐにはミュージシャンモードにも戻れず。それに、1か月間いろんな苦しみとか喜びを分かち合い乗り切ってきた、スタッフの皆さんや共演者の皆さんの映画に懸ける思いを間近で体感してきたので、プレッシャーがすごくて」

──なるほど!

「これ、ヘタなもん作れねえなって。これまでも映画やドラマの主題歌をやらせていただいて、もちろん一生懸命やらせていただいたんですけど、今回は立ち位置が違いますからね」

──確かにそのプレッシャーはすごそうです。

「みんな口々に、“これで加藤さんの(作る)主題歌がエンドロールにバシッと乗ってくれれば、もう最高の仕上がりですよ!”とかって(笑)。こりゃもう、いよいよ頑張んなきゃなぁって、すごいプレッシャーでしたよ」

──そんな中でどうやって第一歩を踏み出したんですか?



「映画に出てくる春雄(=ファンキー加藤)と権助(ごんすけ=小池徹平)の関係性だったり、実際に僕が3人兄弟の次男坊ということもあって、自分の中で“兄弟愛”っていうテーマが生まれた時から、いろんな扉が開いた感じでした。兄弟愛って、今までタッチしたことないテーマなんですよ。自分の作品の中でね。だから、これはちょっと面白い切り口で書けそうだなと思ったんです」

──兄弟愛、そして兄弟という関係性はどんなものだと思われました?

「ライバル心ですかね。やっぱり“負けたくねえ”っていう思いが、自分自身を成長させてくれた気がしていて。僕に関して言えば、1つ上の兄貴と1つ下の弟がいるんですけど、どうしてもある時期までは同じレールを歩むんですよ。子どもの時はみんな親父に野球をやらされるんですけど、兄は優等生で野球のセンスも抜群。文武両道で、今、体育の先生ですからね。そういう兄に対して僕はすごく劣等感を抱いてたんです。だって中学の頃なんて、先生からも“加藤家の汚点”というニックネームをいただくくらいヤンチャでしたから(笑)」

──愛情を持っての命名ですよね(笑)。

「(笑)。だからこの歌詞にある通りなんですよ。髪を染めちゃって親に怒られたりね。何だっけ、あの染めるやつ…?」

──オキシドールですね。

「そう! あの、ガッサガサになっちゃうやつね(笑)。一方で兄貴は野球部で活躍し、マラソン大会でも2位とかとって、テストの成績も良くて。やっぱ兄貴には勝てないなぁって、すげえ劣等感」



──でも一方で、“受け止めてくれてた 僕の分の向かい風を”ってあるように、そういう一面にも気付いてたと。

「デカい存在だったんですよ。野球とか、いろいろ教えてくれたりもしたし。だから、俺は一方的にちょっぴり複雑な感情でもあったんです」

※続きは月刊Songs2016年6月号をご覧ください。

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