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家入レオの4枚目となるアルバムが完成した。タイトルは『WE』。今年リリースされた2枚のシングル──『Hello To The World』と『僕たちの未来』を手掛けてきた多保孝一を始め、気鋭のミュージシャンやスタッフと共に作り上げた、耳にも心にも新鮮に響くアルバムだ。取材時はまだ制作の最中だったが、音楽を作る喜びにも、ここに辿り着くまでの葛藤にも、真っ直ぐに向き合っている清々しい言葉と表情が印象的だった。
Photo:小澤正朗 Text:山田邦子

──アルバム制作、すごく楽しそうですね。



「めっちゃ楽しいです(笑)。真面目にやることも大事なんですけど、やることをやった上で、その場の奇跡みたいなものをどんどん取り込めてるんですよ。上手くいかないところ、スケジュール通りに進まなかったところも、楽しみながらアルバムに落とし込んでいけてます」

──今回のタイトルは『WE』。この言葉が全てを物語ってる気がします。



「そうなんです。1stアルバムのタイトルが『LEO』(2012年10月)、つまり私ということだったんですが、そこから2nd『a boy』(2014年2月)、3rd『20』(2015年2月)と作ってきて、今回は多保さんを始め色んなミュージシャンやアレンジャーの方と一緒に、すごくたくさんのエッセンスをもらいながら作れたんですよ。スケジュール的には相当大変だったし、時にはみんなイライラしたり、落ち込んだりする日もあったけど、そういう時間を共有していくことで絆もどんどん深まっていった。この『WE』って言葉には、そうやってみんなでチームとして作り上げてきたものを、ファンのみんなに届けたいっていう思いが込められています。『WE』、もう本当にこのひと言に尽きるなって思いますね」



──このアルバムだけでなく、ここ何枚かのシングルもすでにそういった感覚での制作になってましたよね。

「はい。『僕たちの未来』という楽曲が、自分の音楽人生の中ですごく大きなものになってるんですね。元を辿ると、その前の『Hello To The World』で多保孝一という人にお会いできたことなんですけど、そこに行き着くまでには、本当に色んなことが重なって、これから先のことについても色々考えてたんです。“家入レオ”って何なんだろう? とか。しゃべらない、笑わない、騒がないみたいなパブリックイメージと、そうじゃない自分みたいなところの葛藤もあったし、制作の現場に入ったら入ったで、自分だけ経験値が少なくて、自分の作品なのに何でこんなに色々言われなきゃいけないんだろう、認めてもらえてないんじゃないかって思ってしまう。もう、何なんだろうって」

──爆発しましたか。

「はい(笑)。でもその時に、そんなことはないんだと。“レオちゃんはそのままでいたほうが魅力的だし、(認めてなければ)ここまで一緒にやってきてないよ”って周りの人たちに言われたんです。そこで改めてこの人たちを信じていいんだって思えたし、私は私でいよう、1人の生き様としての音楽を伝えていこうって思えたんです。だから今回のアルバムには、今まで出したくないと思っていた生活感みたいなところもすごく出てるんですよ。妄想の部分もあるけど、それも含めてリアルな自分が書けたかなって」

──その変化は大きかったですね。

「ものすごく大きかったです。私はシャットダウンするところからしか人間関係が始められなかったんですけど、21歳にもなってそれじゃダメだなと思ったし、21歳でこんな環境にいさせてもらえてるんだから、提案されるアイデアもトライしてみようって思えるようになったんです。例え自分が徹夜して書いていったとしても、そうか、そういうメロディーもあるんだなって気持ちで人と向き合えたから、作品がすごく大きくなったんですよね。結果的にどの曲も自分らしく作れたし、初めてちゃんと自信が持てたんです」

──なるほど!

「自分で自分のことを初めて肯定できたんですよね。もちろん今までの作品を否定しているわけではなくて、ああやって色々吸収する時期があったから、今は真っ白い世界に放たれても自分で枠を作れるようになったと思うんです。13歳から一緒に音楽をやってきた西尾(芳彦)さんの元を離れてみて、改めて西尾さんの良さも分かったし。本当に、出会いに感謝なんですよね」

※続きは月刊Songs2016年7月号をご覧ください。

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