ザ・クロマニヨンズ *撮り下ろし5ページ |
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──10枚目のアルバム『BIMBOROLL』が完成しました。レコーディングは前作『JUNGLE 9』のツアーが終わって1週間後くらいですか?
甲本ヒロト(以下、甲本)「かな?」
真島昌利(以下、真島)「10日後くらい?」
甲本「そんなもんです」
──ツアー終了後からレコーディングまでは何をやってるんですか?
甲本「それまでずっとツアーで一緒だったので、別々に過ごしてました」
真島「昼間っからお酒飲んだり」
甲本「まぁそんな感じです」
──レコーディングの準備はしない?
甲本「気になれば。“あの曲、どんなだったかな?”と思ったら何かやってみたり。ラクな感じですよ」
──曲はツアー中も書いてるんですか?
真島「うん。歌を作るのは、年がら年中。ツアー中だろうが、日々やってますよ」
甲本「浮かんできた時に何となく覚えておいて」
──なかなか浮かんでこない時期もあるんですか?
甲本「だいたいは浮かんでこないよ。1年のうち数時間くらいかな、浮かぶのは。それだけでアルバム2枚は作れるよ」
真島「僕はしょっちゅう、浮かんでますよ。寝る前とか、散歩してる時とか」
──レコーディングはいつものスタジオで、いつも通りに?
甲本「そうです」
──前回のレコーディングではマイクスタンドを使って歌録りをしたそうですが、今回は?
甲本「今回は(マイクを)握りました。どれがいいか分からないし、そんなに変わらないことも分かったので。僕はライブと同じマイクを使ってるんですよ。マイクには指向性というのがあって、全指向性のマイクはどこから歌っても音を拾って、単一指向性は1つの方向からの音しか拾わないんだよね。爆音が鳴ってるステージで全指向性のマイクを使うと周りの音も入っちゃうから、僕は単一指向性のマイクを使っていて。ただ、握って歌うと指向性が崩れちゃうみたいで、だから前回は“スタンドに立てて歌うとスッキリ録れるのかな”と思ったんだけど、大きくは変わらなかったです」
──マイクを握ってレコーディングするボーカリストって、そんなにいない気がします。
甲本「それはちゃんと良い声で録ろうとしてるからじゃない? いいんです、声が良くなくても」
──なるほど。ちなみにザ・クロマニヨンズのライブって、ステージ上も爆音なんですか?
甲本「うん。だって、そうでしょ。小さい音で演奏する……のか?」
真島「歌を歌う人はやりづらいかもしれないけどね。バンドによっては音を聴きやすいくらいの音量でやったり、イヤモニを使ったりするけど、僕らは爆音でやってます」
甲本「音程とか気にして、上手に歌いたい人は困るだろうね。僕らは上手にやってもしょうがないからね」
──アルバムのタイトルは『BIMBOROLL』。ジャケットに描いてある巨大なカタツムリみたいなものが『BIMBOROLL』なんでしょうか…?
甲本「それはよく分かりません。ジャケットは毎回、菅谷晋一くん(グラフィックデザイナー)にお任せだから」
真島「こういうタイトルだからよろしく! って丸投げしてます」
甲本「“お、いいね!”と思うことしかないからね、今まで全部。特に意味とかなくて、何となく良ければいいんです。何かを伝えたいわけではないから」
──『BIMBOROLL』というタイトルを見て、僕はすぐに“貧乏”を思い浮かべてしまいましたが。
甲本「あ、いいですね。でも、日本に貧乏人なんているのかな?」
──笑っちゃうほどお金がない時って、ありませんでした?
甲本「うーん、ちゃんとごはんは食べてたからね。1日200円あれば暮らせるじゃん」
真島「何を基準に考えるかだよね」
甲本「そうそう」
真島「“俺はこれで幸せ”という基準があったほうがいいかもね。もっともっとお金がないとイヤとか、豪邸に住んでないから貧乏と思う人もいるかもしれないし、何を幸せと思うかは違うから」
甲本「“俺は貧乏だ。キャデラックにしか乗れない”とかね(笑)」