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2006年の活動スタートからちょうど10年を超えたザ・クロマニヨンズが、10枚目のオリジナル・アルバム『BIMBOROLL』をリリース。シングル『ペテン師ロック』を含むこのアルバムをフックにしながら、ライブのこと、レコーディングのこと、ロックンロールのことについて甲本ヒロト&真島昌利にインタビュー!
Photo:竹中圭樹(D-CORD) Text:森 朋之

──10枚目のアルバム『BIMBOROLL』が完成しました。レコーディングは前作『JUNGLE 9』のツアーが終わって1週間後くらいですか?



甲本ヒロト(以下、甲本)「かな?」

真島昌利(以下、真島)「10日後くらい?」

甲本「そんなもんです」

──ツアー終了後からレコーディングまでは何をやってるんですか?

甲本「それまでずっとツアーで一緒だったので、別々に過ごしてました」

真島「昼間っからお酒飲んだり」

甲本「まぁそんな感じです」

──レコーディングの準備はしない?

甲本「気になれば。“あの曲、どんなだったかな?”と思ったら何かやってみたり。ラクな感じですよ」

──曲はツアー中も書いてるんですか?

真島「うん。歌を作るのは、年がら年中。ツアー中だろうが、日々やってますよ」

甲本「浮かんできた時に何となく覚えておいて」

──なかなか浮かんでこない時期もあるんですか?

甲本「だいたいは浮かんでこないよ。1年のうち数時間くらいかな、浮かぶのは。それだけでアルバム2枚は作れるよ」

真島「僕はしょっちゅう、浮かんでますよ。寝る前とか、散歩してる時とか」

──レコーディングはいつものスタジオで、いつも通りに?

甲本「そうです」

──前回のレコーディングではマイクスタンドを使って歌録りをしたそうですが、今回は?

甲本「今回は(マイクを)握りました。どれがいいか分からないし、そんなに変わらないことも分かったので。僕はライブと同じマイクを使ってるんですよ。マイクには指向性というのがあって、全指向性のマイクはどこから歌っても音を拾って、単一指向性は1つの方向からの音しか拾わないんだよね。爆音が鳴ってるステージで全指向性のマイクを使うと周りの音も入っちゃうから、僕は単一指向性のマイクを使っていて。ただ、握って歌うと指向性が崩れちゃうみたいで、だから前回は“スタンドに立てて歌うとスッキリ録れるのかな”と思ったんだけど、大きくは変わらなかったです」



──マイクを握ってレコーディングするボーカリストって、そんなにいない気がします。

甲本「それはちゃんと良い声で録ろうとしてるからじゃない? いいんです、声が良くなくても」

──なるほど。ちなみにザ・クロマニヨンズのライブって、ステージ上も爆音なんですか?

甲本「うん。だって、そうでしょ。小さい音で演奏する……のか?」

真島「歌を歌う人はやりづらいかもしれないけどね。バンドによっては音を聴きやすいくらいの音量でやったり、イヤモニを使ったりするけど、僕らは爆音でやってます」

甲本「音程とか気にして、上手に歌いたい人は困るだろうね。僕らは上手にやってもしょうがないからね」

──アルバムのタイトルは『BIMBOROLL』。ジャケットに描いてある巨大なカタツムリみたいなものが『BIMBOROLL』なんでしょうか…?

甲本「それはよく分かりません。ジャケットは毎回、菅谷晋一くん(グラフィックデザイナー)にお任せだから」

真島「こういうタイトルだからよろしく! って丸投げしてます」

甲本「“お、いいね!”と思うことしかないからね、今まで全部。特に意味とかなくて、何となく良ければいいんです。何かを伝えたいわけではないから」

──『BIMBOROLL』というタイトルを見て、僕はすぐに“貧乏”を思い浮かべてしまいましたが。

甲本「あ、いいですね。でも、日本に貧乏人なんているのかな?」

──笑っちゃうほどお金がない時って、ありませんでした?

甲本「うーん、ちゃんとごはんは食べてたからね。1日200円あれば暮らせるじゃん」

真島「何を基準に考えるかだよね」

甲本「そうそう」

真島「“俺はこれで幸せ”という基準があったほうがいいかもね。もっともっとお金がないとイヤとか、豪邸に住んでないから貧乏と思う人もいるかもしれないし、何を幸せと思うかは違うから」

甲本「“俺は貧乏だ。キャデラックにしか乗れない”とかね(笑)」

※続きは月刊Songs2016年11月号をご覧ください。

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