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AKB48を今年4月に卒業した高橋みなみ(たかみな)が、1stソロ・アルバム『愛してもいいですか?』をリリース。今作には、槇原敬之、高見沢俊彦、玉置浩二などの日本の有名アーティストを始め、何と、カーリー・レイ・ジェプセンまでが楽曲を提供。彼女も、その個性溢れる楽曲たちを様々な表現と声で歌っている。新たな一歩を踏み出したたかみなの、1人のアーティストとしての幅広さが伝わってくる1枚が完成した。
Photo:竹中圭樹(D-CORD) Text:髙橋栄理子

──ついに1stソロ・アルバムがリリースされましたが、作家陣が、ものすごく豪華ですね。



「はい。気づいたら、とんでもないことになってました(笑)。でも、もともと秋元(康)さんからも、私と関わりがあってお願いしたいと思う人にお願いしてみれば? っていうご提案をいただいていたんです。それで『新堂本兄弟』でご一緒させていただいた槇原敬之さんや高見沢俊彦さんはもちろん、今まで番組でお会いして、いつかはって思っていた方たちにお願いをして。そしたら、皆さんお忙しいのにもかかわらず、ご快諾くださって楽曲を提供してくださったので、こんなに贅沢なことはないなって思いました。私にとっては、宝箱みたいな1枚です」

──様々なアーティストが楽曲を作ってくださった結果、本当に幅広いタイプの楽曲が揃いましたよね。それぞれの方が、ご自身が持っている色を出してくださっていますから。

「それはすごくあります。イントロを聴いた瞬間に、あ、あの人の曲だ! って、すぐ分かるので。皆さんの世界観に自分が飛び込ませていただいている感じです」

──その感覚はAKB48時代とは、また違うと思います。色々な世界観にソロ・アーティストとして取り組んでみて、いかがでしたか?

「やっぱり面白いですね。実は去年の4月に2ndシングルとして織田哲郎さんの楽曲を歌っていたので(※自身の誕生日に開催された1stソロ・コンサートで初披露した『孤独は傷つかない』)、卒業したら、まずは2ndシングルだろうなって思っていたんです。でも、秋元さんは、アルバムだっておっしゃった。その意味が作ってみて、よく分かりました。新しいたかみなを皆さんに作ってもらいなさいっていうことだったんだと思います。確かに自分だと、どうしてもカッコいい楽曲を選びがちなんですけど、色んな方にお願いすると、色んな方の色をいただける。そのおかげで、あっ、自分って、こういう曲だとこういうふうに歌うんだなと、新しい発見がありました」

──ということは、たかみなさんから“こういう楽曲を”って、皆さんにリクエストしたわけではないんですね?

「ほとんどがそうです。逆に『GIRLS TALK』の場合は、岸谷香さんから“たかみなさん、こういう時って、どう思いますか?”というアンケートをいただいて、それに答えたあとに、すぐでき上がった感じです。だから皆さん、私のことをすごく考えて作ってくださったんだなって思いましたし、あ、私って、こういうふうに見えていたんだ! と感じた楽曲もありました。例えば『ティンクル』を作ってくださった玉置浩二さんにとっては、私って、やっぱりアイドルのイメージなんだな、とか。AKB48にいた頃にずっとお会いしていたので、その時の印象の中で膨らませてくださったんだと思います」

──この曲が一番意外でした。とってもキュートでガーリーで、えっ、玉置さんがこの曲を!? って思いましたから。

「私も、もっと人生観みたいな曲が来ると思っていたんですが、一番アイドルっぽい曲が来たのでとても驚きました」

──それだけ玉置さんが引き出しを持っていらっしゃるってことですよね。それに対して高見沢さんの『愛しくて恋しすぎて』は、まさに高見沢さんらしい超ドラマティックな楽曲。

「ザ・高見沢さん! っていう曲ですよね。デモでは高見沢さんが歌ってくださっていて、すごく壮大にでき上がっていたので、それを私が表現できるのかな? という不安もあったんです。でも、高見沢さんからメールをいただいたりもして、それに勇気づけられながら頑張りました。槇原さんと高見沢さんは、たぶん卒業したたかみなに何を歌わせよう? って楽しんでくださっている気がするんです。だから、2人とも恋愛の曲を書いてくださったのかなって思います」



──アイドルを卒業して、“君は、もう大人の女性への一歩を踏み出したんだよ”っていうメッセージが込められている感じですよね。

「はい。そう言われている気がしました」

──槇原敬之さんの『カガミヨカガミ』も、友だちのままなら平和なのに、恋する気持ちが止められない女の子の曲ですもんね。

「そうなんですよ。どんどんその人のことを意識しちゃっている自分に困惑している。でも、恋愛っていうものに一歩踏み出してしまったら、何かが変わってしまうんじゃないか? って思っているので、そういう不安感も抱えながら歌いました。それが楽しくもあったんですけど、気持ちが入りすぎて自分のことじゃないのに泣けてくる感じもあって(笑)。だから、やっぱり槇原さんの詞の世界観ってすごいなって改めて思いました」

※続きは月刊Songs2016年11月号をご覧ください。

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