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“Twitter30秒動画の女王”と称されている21歳のシンガーソングライター、カノエラナが前作『「カノエ参上。」』から半年振りとなる2枚目のミニ・アルバム『「カノエ上等。」』をリリースした。前作が“ポップス版・カノエ”だとしたら、今作は“ロック版・カノエ”。激しいバンドサウンドをバックに、自慢話ばかりするサラリーマンに噛みつき、大好きな“君”やピザまんにかぶりつき、ライブの観客を煽りまくる。怒りや憤りに満ちているかと思えば、上京する若者を優しく励ますような応援ソングも歌うし、本人は常に笑顔で明るく元気で……。かなり多面的で幅広く、実態がなかなか掴みにくいカノエラナが本誌初登場です!
Photo:竹中圭樹(D-CORD) Text:永堀アツオ

──Twitter30秒弾き語り動画が話題になってます。



「試しにやってみようっていう感じくらいやったので、ここまで反響が大きくてビックリしてますね。最初は、30秒だけで起承転結をつける練習のつもりで始めて。サビだけでどれだけ伝えられるかっていうのをやっていたんですけど、お気に入りやリツイートが文章だけの時よりも多かったので、自分の力にもなるし、動画を見た方がライブにも遊びに来てくれるんじゃないかなと思って、ずっと続けていて。そしたら、どんどん結果がついてきたので、やってみて良かったなって思ってます」

──2ndミニ・アルバムに収録されている『おーい兄ちゃん』は、Twitter30秒弾き語り動画の人気楽曲の中の1つでもありました。



「そうですね。この作品に入ってる曲の中では一番古くて。ある日、お酒に酔っぱらった兄ちゃんが後輩にベラベラと自分の人生をしゃべってて。その時は、うわ、ダサっ! でも、いつか曲にしようと思ってたくらいだったんですけど、数日後に焼肉屋でサラリーマンの集団に出くわして。その会話がえげつなかったんですよ。めっちゃ偉そうな人がずっと自慢話をしてたんですけど、その人がトイレに立った瞬間に新入社員らしき若い人達がやってるグループラインの“マジ、ウザいわ。止まんないわ”っていう文字が見えちゃって……。そういう実話を3つくらい、もっちゃもっちゃして、くっつけた曲ですね」

──ただ、偉そうに人生を語ったり、自慢話ばかりの兄ちゃんを攻撃するだけの曲にはなってないですよね。

「後輩側だけではなく、兄ちゃんの立場になって考えてみたら、ちょっとかわいそうだなって思っちゃって。だから、最終的には、第3者である私が歌にしてやるからなっていう曲になってるんですね。先輩と後輩と私、全ての視点から歌っている世界になっているので、色んな角度から見られて面白いんじゃないかなと思います」

──この曲のタイトルもそうですけど、言葉遣いが独特ですよね。“語ってんじゃねーよ”とか“文句ばっかつけんじゃねーよ”とか、いわゆるポップスではあまり使わない言葉も使っていて。

「歌詞をそのまま読んでも会話しているように聞こえるように書いてますね。ラジオとかでかかった時に、そういう単語があると、“え?”ってなるじゃないですか。その“え?”を大事にしたいなと思ってて。それに、カノエラナはシンガーソングライターだけど、その辺にいる人と全く変わらないですという意味でも、できる限り普段使っている言葉で、会話口調にしたいなと思ってますね」

──では、逆に本作の中で一番新しい曲は?

「4曲目の『ひとりかく恋慕』かな。これは、ひとりかくれんぼ(ネットで人気の呪いの儀式/ひとり鬼ごっこ)をやってる人の実況動画を見た時に、めっちゃ面白いな、曲にしようと思って。ぬいぐるみを人に例えてみたら、ちょっとグロくなっちゃったっていう(笑)」


※続きは月刊Songs2017年3月号をご覧ください。

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