http://unison-s-g.com/
今年2曲目の新曲リリースとなる『10% roll, 10% romance』は、TVアニメ『ボールルームへようこそ』オープニングテーマとしての書き下ろし。UNISON SQUARE GARDEN(以下、ユニゾン)史上最速の部類に入る、スピード感みなぎる曲調と超絶テクニックを、あくまでポップに仕上げた痛快な作品だ。カップリングにも思い入れある曲を集めて、聴き応えたっぷりのニュー・シングルについて、3人が本音を語る!
Photo:竹中圭樹(D-CORD) Text:宮本英夫

──これはまさに、ユニゾンにしかできない曲でしょう。思いきりラウドで、超絶にテクニカルなギターロックなのに、パッと聴いた印象はあくまでポップでさわやかという。



田淵智也(以下、田淵)「技術のインフレが起きてますね(笑)。それが当たり前になってきちゃってる」

──TVアニメ『ボールルームへようこそ』のオープニングテーマになったこの曲、作ったのはいつ頃ですか?

田淵「初めて監督とお会いしたのは、去年の12月だった気がしますね。お話をもらったのもそれぐらいだったので、そのあたりで書いた曲だった記憶があります」

──アニメの監督さんからは、最初にどんな依頼を?

田淵「何だっけ? ちょっと待ってください(制作ノートを見直す)」

鈴木貴雄(以下、鈴木)「時間かかるなら、こっちで話すけど」

田淵「どうぞどうぞ(笑)」

斎藤宏介(以下、斎藤)「技術のインフレですよ、本当に。『ドラゴンボール』で、スーパーサイヤ人がどんどん増えるみたいな感じで、収拾がつかなくなってる(笑)。どこまで行くんだろう? っていう競技のような面もありながら、最終的には“僕たち頑張ってるんです、すごいんです”というところを前面に出す必要は1ミリもないので。楽曲として非常に楽しいものを楽しく鳴らすことが、常にテーマとしてありながらやっている感じですね」

鈴木「ポップじゃないとね。いつも言ってるんですけど、白鳥ですよ。優雅に泳いでいるように見せて、水の中では必死で足を動かしてる。その優雅さを大事にして、ポップであることを大事にしてるけど、水面下で頑張っていることに気づいてくれた人にとって、そこも魅力になっているということは、ずっと変わってなくて。でも聴いてほしいのはポップで楽しいところなので、楽しんでもらえればと思ってますね」

──ドラムは、高速のシャッフルビートということでいいですか?

鈴木「そうですね。でも個人的には、ロックとフュージョンを融合させた音にしたいというものが、年々強くなってきていて。バンドとするとポップソングだし、J-POPだったりJ-ROCKだったり、そのへんだと思うんですけど、個人のエゴとして、フュージョンの要素を盛り込んだ細かいフレーズで、そこに気づいても気づかなくても、楽しいムードを出していたいなって、年々思いが強くなってます」

──読者の皆さん、ぜひ細かいところまで聴き込んでもらえると、面白いと思います。そして今、田淵くんがメモを発見したようです(笑)。何て書いてありました?

田淵「ろくなこと書いてなかった(笑)。あー、でも、思い出してきましたよ。“オープニング映像に合うようなノリのいいものを”と言われたので、僕はその前に原作を読んでから行ったんですけど、おこがましいですが、踊るのならいわゆる4つ打ちとお思いかもしれないですけど、“僕的にはただの4つ打ちじゃないほうがいいと思います”と。それと、アニメで画を動かすのであれば、実写のダンス映画ではできない表現をやるべきだと思うので、“ギリギリ人間では表現できない速さのBPMで一回作ってみていいですか?”と言ったような記憶があるんですけど」



──あぁ。なるほど。

田淵「最初はもうちょっと速かったんですよ。でもアニメで動かした時に、アニメだからできるこの動きだよね的な、ちょうどいいところを探っていって、ちょっと下げて今のテンポになった記憶があります」


※続きは月刊Songs2017年8月号をご覧ください。

ページを閉じる

Topページを開く