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今年5月にシングル『鼻声/しょっぱい涙』でメジャー・デビューした阪本奨悟。事務所の先輩でもある福山雅治がプロデュースを手掛けたことも大きな話題となったが、続く第2弾シングルもまた、10月14日から公開される映画『恋と嘘』の主題歌と挿入歌に抜擢されるなど、現在注目を集めているシンガー・ソングライターだ。今作は、映画の挿入歌として初めて書き下ろした『恋と嘘 〜ぎゅっと君の手を〜』と、主題歌である福山雅治の大ヒット曲『HELLO』のカバーの2曲。それぞれの楽曲に込めた思いなどを聞いた。
Photo:松井伴実 Text:山田邦子
──今年5月にメジャー・デビューをされたわけですが、改めて、今どんなお気持ちですか?



「気持ち的にはさらに頑張ろうという感じで、そんなに今までと大きくは変わってないのですが、より自分らしさということについて考えるようになりました。引き出しを増やすのに苦労しているというか」

──そのデビュー作は事務所の先輩でもある福山雅治さんがプロデュースされていますが、勉強になったところや刺激など、色々吸収できたのでは?

「そうですね。自分1人では描けなかった歌詞の世界に辿り着けました」

──その経験は今作にも生きていますか?

「はい。福山さんと一緒にやらせていただけたことで、歌詞を書く時に作ってしまっていた自分自身の殻を破ってもらえたんです。僕はカッコつけな性格で、ラブソングを書くにしても、主人公像がすごくイケてるというか、カッコいい言葉やキレイな言葉を並べてしまっていたんですね。でも福山さんから“奨悟は実際、こういうカッコいい恋愛をする人なの?”と。そこから初恋の話なんかもしたんですが、確かにこんなにカッコ良く立ち振る舞えてはいなかったんですよね。だったら嘘をつくべきじゃないよねって」

──なるほど。

「自分で自分を作っていた。歌詞を書く上で、その部分がすごく邪魔をしていたんだろうなと思いました」

──そういった経験も踏まえて完成した『恋と嘘 〜ぎゅっと君の手を〜/HELLO』は、映画『恋と嘘』の挿入歌と主題歌となっています。

「とても光栄なことで嬉しかったです。今の自分をフルパワーで出せるように頑張りました」

──ではまず『恋と嘘 〜ぎゅっと君の手を〜』について聞かせていただけますか?

「この曲は、初めて映画の挿入歌として書き下ろしにチャレンジしたものです。監督さんとお話をさせていただいた時に、青春って、その渦中にいる時はずっと続くと思えるくらい楽しい時間だったけど、過ぎ去ってしまうと一瞬に感じるよね、と。爽やかでフレッシュで楽しい時間だったけど、今となっては儚さも感じるんだよねと言われていたんです。この挿入歌も明るい印象を与えつつ、儚さや切なさを感じられるようなものがいいとのことだったのですが、正直、最初は難しいなと思ったんですよ。そんなに人生の経験を積んでいないので。でも自分の中に出てきたイメージを、Aメロから少しずつ作り上げていきました」

──曲が先だったんですね。



「はい。歌詞を書くにあたっては、今回の映画が青春のラブストーリーを描いたものなので、僕自身の青春を思い出しながら書いていきました。好きな子と2人きりになれても、なかなか自分が思い描いていた通りに話ができなかったりするもどかしさがあったし、振り返ってみると、本当にたくさん悩んでいたなぁってことを思い出すんですね。“青春”や“若さ”って、振り返ると自分が思っていた以上に悩んでいたような気がして。いわゆる中二病みたいな(笑)、今となればくだらないことまで考えすぎていたなって。だからこの楽曲では、悩んでいる主人公の姿を大事にしながら書いていきましたね」


※続きは月刊Songs2017年11月号をご覧ください。

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