http://www.yuusuke.jp/

遊助から届けられた23枚目のシングル『雑草より』は、心に響くメッセージが印象的な作品。長いツアーの真っ只中に制作されたという楽曲だけに、ファンやリスナーへの強い気持ちが込められたものになった。遊助らしい言葉と力強い歌声。それは悩みを抱えて立ち止まっている人を勇気づけてくれることだろう。
Photo:竹中圭樹(D-CORD) Text:髙橋栄理子

──『雑草より』はシンプルなんですけど、だからこそ真っ直ぐ届く応援歌という感じで、すごくメッセージ性が強いですよね。



「これはツアー中に作った曲なんですけど、その時期って、やっぱり目の前にいる人達に向けてっていう気持ちになるんですよ。ちょっと強めの言葉を使ってメッセージを届けたくなるんです。この曲もそう。ライブに来てくれたお客さん達を見ていて、自然にそういう気持ちになって。ライブは365日できないから、(今年のツアーは)この夏で終わっちゃったんですけど、それでもまたこれから先も頑張らなきゃいけないことはあるじゃないですか。みんなも俺も、仕事とか部活とか人間関係とかは続いていくわけだから、それに対してエールを送りたかったんですよ。毎日を過ごしていく中では弱ることや迷うこともあるだろうし、悩むこともきっとある。でも、俺自身も今までそう思ってきたように、どんな時も絶対に1人じゃないんだっていうことを伝えたかったんです」

──歌詞にある“悩んだっていいさ”という言葉が印象的でした。

「悩むのと考えるのって、何が違うんだろう? って考えたんですよ。それで俺なりに出した答えが、悩むのは立ち止まったり深呼吸するためなんだろうなっていうこと。慌てるな、慌てるなって、神様なのか時なのかは分からないけど、何かが言ってくれてるんじゃないかなって思ったんです。悩んでいる時に無理やり動くんじゃなく、立ち止まるのだって悪いことじゃない。だから、悩むことも次に進むためのひとつのキッカケだっていう意味で、そういう歌詞にしたんです。じゃあ、考えることはどういうことかっていうと、進んだり動き出すためにすること。悩んで考えてレッツゴーだと思うんですよ。悩んで何がしたいか分かったら、そのためには何をするべきかを考えて前に進む。そういう段階は誰にだってあると思いますからね。中には、ずっとハッピーな人もいるかもしれないけど、俺を含めて、人生そんなにうまくはいかない。それで、悩むことや考えることに対して、もうちょっと背中を押せないかなって思ったんです」



──悩んでいる時って、どうしても弱気になりがちですしね。

「そうなんですよ。でも、良くなるために悩んでいるんだよって伝えたかったんです。ライブの時は、ワーッてひとつになる空間を作ることで楽しい気持ちになってもらえるけど、ここから、またしばらくみんなに会えなくなる。だからこそ、その間にも、みんなが頑張れるようなメッセージを送ってみたいなって思ったんですよ」

──ライブが終わると、楽しみがなくなっちゃったって思う人は多いでしょうしね。でも、そんな時でもこの曲を聴けば遊助さんがそばにいてくれるんだって思える気がします。

「そうですね。直接は会えなかったとしても、曲がみんなのそばに寄り添ってくれたらいい。そう思って作りました」

──この『雑草より』っていうタイトルは、遊助さん自身も雑草の1人だよっていう意味ですか?

「そうです。俺は小さい頃から野球をやっていたんですけど、ケガして諦めなきゃいけなくなって、腐りそうになった時もあれば、この世界に入っても売れなくて、長くバイトをしている期間もあったんです。ずっと順風満帆っていうわけじゃなかった。ライブを見たり、テレビに出てる俺を見て、きらびやかでいいなって思う人もいるかもしれないけど、俺にも挫折を感じる時はあったし、それを経て今があるんですよ。もちろんこれからだって、まだまだ色んなことがあると思う。だから、みんなと一緒だよって言いたかったんです」


※続きは月刊Songs2017年12月号をご覧ください。

ページを閉じる

Topページを開く