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愛知県の学校で実際にあった出来事を基に『武士道シックスティーン』や『ストロベリーナイト』などの誉田哲也が書いた小説を映画化した『世界でいちばん長い写真』。高校写真部に所属する引っ込み思案な高校生・宏伸を演じるのは、ドラマ『賭ケグルイ』や現在放送中の『モンテ・クリスト伯 -華麗なる復讐-』、映画『プリンシパル〜恋する私はヒロインですか?〜』など話題作にひっぱりだこの高杉真宙。今作の撮影秘話や劇中で重要なアイテムとして登場する“カメラ”について、さらに音楽についても語ってくれた。
Photo:松井伴実 Text:奥村百恵

──世にも珍しいパノラマカメラと出会ったことで高杉さん演じる主人公の宏伸の人生が変わっていく今作ですが、最初にお話をいただいた時にどう思いましたか?



「愛知県の高校で実際に起きたことを基にした小説が原作なんですけど、撮影も舞台となった高校でやらせていただいたんです。当時のことを知らなかった生徒さんも多かったそうで、今回の撮影がキッカケで知っていただけたことが嬉しかったです。生徒さん達にはエキストラで出演していただいたんですけど、現役の方だけじゃなく、OBの方も参加してくださったと聞きました(笑)」

──参加した方にとっても今作に参加できたことが素敵な思い出になって良かったですよね。



「皆さんに協力していただいたおかげで、より素敵な映画になりましたし、僕自身も役者を始めてからこういったことに携わってみたかったので、ひとつ夢が叶いました。自分が通っていた学校でこういったことがあったなら絶対に知っておいたほうが良いと思うので、そのキッカケを作ることができて本当に良かったです」

──草野翔吾監督からは宏伸を演じるにあたり、何かリクエストはありましたか?

「初めてお会いした時に監督が、“高杉くんのまんま演じてくれていいよ”とおっしゃったんです。でも、性格的に似ている部分はあっても自分とは全く違う人間なので、僕のまんまというよりは、役との違いをちゃんと見せられるように意識しました。草野監督はとてもアツい方で、その熱を感じながら演じることができたのですごく楽しかったです。見た目では分かりづらいかもしれないですけど(笑)、僕も基本的には現場で熱意を持ってテンションを保っているほうだと思うので、アツい気持ちを持って作品作りに挑まれる監督と一緒にいると、より気合いを入れて演じることができたように思います」



──愛知でのロケ撮影はいかがでしたか?

「撮影中はずっと知多半島に滞在して現場に通っていたので、長くいるうちに自分の青春時代は本当にあの高校で過ごしたんじゃないかと錯覚するほどでした(笑)。宏伸にとっては地元なので、観光地を訪れた人に見えないようにというところにも気をつけました。僕は地方で撮影する時は、いつもその土地に着いた日に散歩することにしているんですけど、今回も前原 滉さん、田村杏太郎くんと一緒にかなり長い時間散歩しました。いつもだったら1人で1時間ほど散歩して終わるんですけど、3人でしゃべりながらブラブラと歩いていたら、いつの間にか何時間も経っていて驚きました(笑)」

──他にも役作りのために何かされたことはありましたか?

「宏伸は360度長い写真が撮れるように改造されたパノラマカメラを扱うことになるので、フィルムの入れ方など基本的なことを教えていただきました。パノラマカメラの存在は知っていたんですけど、実際にどんなふうに写るのかというのは全く想像がつかなかったんです。でも実際に撮影されたパノラマ写真を見せていただいて、それは劇中にも登場するんですけど、景色の真ん中に立って、自分の目で見ている360度の世界を写真に写すことができるなんて、本当に素敵だなと思いました。自分が見ている世界の一瞬を切り取ることができるなんてロマンを感じますよね」

──フィルム写真はデジカメで撮った写真と違って、現像しないと何が撮れてるのか分からないところが面白いですよね。

「実は今作の撮影が終わったあと、地方に行った時にフィルムを使ったカメラで景色を撮影してみたんです」


※続きは月刊Songs2018年7月号をご覧ください。

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