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自身の母である伝説の歌手・山口百恵さんの楽曲(『さよならの向う側』『秋桜』『いい日旅立ち』など)をカバーしたアルバム『I'm HOME』(2017年7月リリース)がロングセールスを記録。シンガーとしての魅力を改めて示した三浦祐太朗が約4年振りとなるオリジナル・アルバム『FLOWERS』を完成させた。昭和歌謡風のポップス、ロック、アニソンまで幅広い楽曲を収録し、「こんな曲もあるよ、こういう曲もあるよと提示しているような感覚」という本作について語ってもらった。
Photo:木村琢也 Text:森 朋之

──約4年振りとなるオリジナル・アルバム『FLOWERS』が完成しました。制作に対してはどんなスタンスで臨んでいたんですか?



「『I'm HOME』の時から“次の作品をどうするかが難しいよね”という話をしていたんですよね。それは自分も感じていたし、どういうアルバムにするか色々と考える中で“この4年間を全て詰め込むような作品にするのがいいんじゃないか”と思って。この4年の間に芝居や舞台をやらせもらって、歌に関しても母親の楽曲のカバーだったり、アニソンも歌って。そういう経験を反映させたいなと」

──表現の幅が広がった4年間だった、と。

「そうですね。バンド(Peaky SALT)の時もそうだったし、ソロの初期もそうだったんですけど、自分で書いた歌詞と曲を自分で歌うことにこだわっていて、それ以外のことをやるのはカッコ悪いと思っていたんです。でも、その後カバー・アルバムをリリースして、WEB CMの楽曲として制作した『ハタラクワタシへ』なども歌って。そういう音楽の良さを実感したし、狭めていた門を一気に開放できた感覚があったんですよね。自分で決めたルールに縛られて、せっかくのチャンスを逃したり、いい曲があっても歌えないのはもったいないなって。自分にとっては大きい変化だったし、それは今回のアルバムにも出ていると思います」

──すごくバラエティーに富んだ8曲が収められていて。これほどテイストが違う曲が揃って、“ひとつのアルバムとしてまとまるだろうか?”という気持ちはなかったですか?



「めちゃくちゃ不安でした(笑)。でも、レコーディングが終わって、全曲を通して聴いた時に“しっかり筋は通せたな”と思えたんですよ。そこは良かったなと」

──それぞれの楽曲についても聞かせてください。まずは何といっても、Peaky SALTのメンバーだった古銭友一郎(KOSEN)さんが作曲した楽曲(『月と木星の距離』『WITH(10 years after Ver.)』)が収録されていることに注目したいなと。

「ありがとうございます。古銭は劇伴作家、サウンド・プロデューサーとして活動していて、バンドが活動休止してからはほとんど会ってなかったんだけど、最近ようやく一緒に食事に行くようになったんですよ。で、今回アルバムを作ることになった時に、古銭の曲を歌いたくなって。『WITH』はバンド時代から歌っていた曲で、『月と木星の距離』も実は当時からあった曲なんです。レコーディングもやったんですが、バンドが活動休止になって、お蔵入りしてしまって。自分も古銭も“いい曲だから、いつか世に出したい”と思っていたし、せっかくのチャンスだからぜひ収録したいなと。古銭も快諾してくれて、アレンジを変えて全部録り直したんですよ」


※続きは月刊Songs2018年8月号をご覧ください。

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