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2013年から2017年にかけて「別冊フレンド」で連載された南波あつこによる人気コミック「青夏 Ao-Natsu」が『青夏 きみに恋した30日』として映画化。夏休みを田舎で過ごすことになった都会の女子高生・理緒をNHK連続テレビ小説「わろてんか」後初の主演映画となる葵わかな、理緒が出会う地元の男子高生・吟蔵を『3D彼女 リアルガール』など話題作への出演が続く佐野勇斗が演じている。俳優として活躍する中で、M!LKとしても活動している人気急上昇の佐野と、今作の主題歌『青と夏』&挿入歌『点描の唄(feat.井上苑子)』を手掛けたMrs. GREEN APPLEのボーカル・大森元貴のスペシャル対談をお届けします。
Photo:松井伴実 Text:奥村百恵

──佐野さんはクールで少しぶっきらぼうだけど優しい面を持つ吟蔵を、どんなことを意識して演じられましたか?



佐野勇斗(以下、佐野)「原作の吟蔵は男の僕から見てもカッコ良かったので、最初は正直プレッシャーに感じてしまって(笑)。でも、できるだけ原作の吟蔵に近づけられるように、せめて体だけはしっかりと作ってから撮影に挑もうと、トレーナーさんについていただいて食事制限をしたり、トレーニングに通ったりして。劇中で肌が露出するシーンがあったので、そこで吟蔵ファンを幻滅させてはいけないと必死で体を作りました。ぜひチェックしていただきたいです(笑)」

──大森さんは主題歌の『青と夏』と挿入歌の『点描の唄(feat.井上苑子)』を手掛けていますが、お話をいただいた時はどんな心境でしたか?



大森元貴(以下、大森)「こんなにキラキラした素敵な映画のお手伝いを僕らの音楽でできるというのは、プレッシャーでもあり、嬉しくもありました。夏の映画が大好きなので、自身の学生時代を思い出しながら夏の思い出を作るつもりで制作していきました。佐野さんは曲を聴いてどう思いました?」

佐野「本当にこの映画にピッタリで素敵な曲だなと思いました。現場でもみんなで聴いていましたし、ずっと口ずさんでいたんですよ」

大森「ホントですか! 嬉しい!」

──大森さんは吟蔵くんに対してどんなことを感じましたか?

大森「一見チャラっけづいてるようにも見えるけど、実はすごくピュアな部分を持った男の子だなと思いました。そこを嘘なく曲に反映させようと意識して歌詞を書いた部分もあります」

佐野「撮影中は毎日『青と夏』を聴きながら現場に行っていましたし、とある悲しいシーンの撮影前は『点描の唄』を聴いて気持ちを作っていました。曲に助けていただいたので感謝しかありません!」

大森「そんなふうに言ってもらえて嬉しいですし、お役に立てて良かった! 『点描の唄』は劇中でどんなシーンに流れるかを聞いていたので、そこまでの流れや吟蔵の言いたいことをちゃんと曲に落とし込もうと思って歌詞を書いたんです。それから“夏が終わって欲しくない”という言葉も入れて切なさが増すようにしたり。それを聴いて役者さんが気持ちを作ってくれたら、こんなに嬉しいことはないです」



──『点描の唄』は田舎に住む男の子と都会に住む女の子の期間限定の切ない恋にピッタリな曲ですが、今作のように田舎に住む若い人達が夢を追って都会に出るかどうか悩んでいることに対して、お2人はどう思いましたか?

大森「うちのベースの髙野(清宗)とキーボードの藤澤(涼架)が長野出身なので、よくそういう話は聞いていましたけど、僕は東京生まれの東京育ちなので上京という概念がなくて…。ただ、キラキラした田舎のシーンを見ると“いいな〜”と単純に憧れてしまうというか、田舎に実家があるのってうらやましいなと思いました」

佐野「逆に僕は今作の舞台になっているような山や川のある田舎で育ったので、境遇は吟蔵と似ているんです。芸能界で頑張りたくて上京してきたので、すごく共感できました」

──そんな吟蔵は運命の相手を信じている理緒と出会って恋に落ちますが、お2人は運命の出会いを信じるタイプですか?

大森「信じます!」

佐野「僕も信じます!」

──お2人とも即答でしたね(笑)。

大森「ちょっとクサいことを言いますけど、今まで出会った人は全て運命だと思っているんです。出会うべくして出会っていくものなんじゃないかなと。運命しか信じない“運命人間”と呼んでください(笑)」

佐野「あははは! 実は僕も全く同じで、今日こうやって大森さんとお会いできたのも、月刊ソングスさんに取材していただいてることも運命だと思うんです」

大森「ホントそうだよね。何なら、苦手だなと思う人でさえも運命で出会ってると思いますし、『青と夏』でも“運命”というワードを使っています。とにかく運命をすごく意識して生きていると言ってもいいかもしれません」


※続きは月刊Songs2018年8月号をご覧ください。

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