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映画『亀は意外と速く泳ぐ』や『転々』、『俺俺』、TVドラマ「時効警察」シリーズなどを手掛けた三木 聡監督が5年振りに監督・脚本を務めた映画『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』が遂に完成。驚異の歌声を持つ世界的ロックスター・シンを演じるのは俳優としてもグループ魂のボーカルとしても活躍中の阿部サダヲ、声が小さすぎるストリートミュージシャン・ふうかをドラマ「ゆとりですがなにか」や「カルテット」、「健康で文化的な最低限度の生活」など幅広い作品で人気を集める吉岡里帆が演じている。今作でライブシーンにも挑戦した2人に、撮影エピソードや、HYDE、あいみょんが提供した主題歌などについて語ってもらった。
Photo:松井伴実 Text:奥村百恵

──今作で初めて三木監督とご一緒されましたが、最初にお話をいただいた時の心境からお聞かせいただけますか。



吉岡里帆(以下、吉岡)「すごく嬉しかったです。台本を読んでいてもどういう映像になるのか想像がつかないことばかりだったので、早く監督にお会いして色々と聞きたいと思いました。あと“こんなセリフは今まで一度も聞いたことがない!”と思えるほど登場人物達のセリフが面白かったので(笑)、現場に入るのが楽しみでした」



阿部サダヲ(以下、阿部)「三木さんの作品は好きでよく拝見していたので、以前からずっとご一緒してみたいと思っていました。松尾スズキさんなど大人計画所属の俳優がよく出演していたので、僕も三木作品に呼んでいただけるかなと思っていたんですけど、なかなかお声がかからなくて…そのうち“三木さんに嫌われているのかな…?”と勝手に思ったりして(笑)。やっと今回お話をいただけたのですごく嬉しかったですし、台本も楽しみながら読ませていただきました」

──念願の三木組の現場はいかがでしたか?

阿部「ザッパおじさん役の松尾スズキさん、デビルおばさん役のふせえりさんなど、三木さんの作品によく出演されている方々とご一緒しているだけで“三木ワールドに自分もいるんだな”と実感が湧いてくるような現場でした。あと事前に“三木組はキツイ”という話を周りから聞いていたので、“なるほど! 確かに!”と実際に現場で体感できたのも良かったです(笑)」

──女医役を演じている麻生久美子さんが“昔に比べると監督は優しくなった”とプレス資料でコメントされていました。

阿部「麻生さんは三木作品の常連と言ってもいいぐらいたくさん出られてますしね。麻生さんと言えば、今作の女医さんの衣装を初めて見た時は“そうくるか!”と驚きました。台本を読んだ時はまさか眼帯をしていると思ってないですから(笑)」

吉岡「麻生さんの眼帯姿には私も驚きました。三木作品常連の麻生さんや松尾さん、ふせさんとご一緒できて嬉しかったです」



阿部「ふせさんと三木さんがご夫婦だということを吉岡さんは最初知らなくて、三木さんに“奥さんはどういう方なんですか?”と聞いていたんですよ(笑)」

吉岡「聞いてしまいました。だからご夫婦だと分かった瞬間に冷や汗かいちゃいました(笑)」

阿部「教えてくれたらいいのにね(笑)」

吉岡「阿部さんが教えてくれなかったらずっと分からないままでした(笑)」

阿部「僕は松尾さん、ふせさん、吉岡さんと4人のシーンだとシン以外全員ボケなので、シンとして松尾さんに思い切りツッコミを入れられたのは面白かったです」

吉岡「4人のシーンの撮影はすごく楽しかったです。あと現場で監督が誰よりもワクワクしている様子が伝わってきて、その姿を見ているとこちらも嬉しくなるんです。それと同時にどうやったら面白くなるかということも監督は真剣に考えてらしたので、監督のイメージに応えられるようなお芝居がしたいと強く思いました」

──吉岡さんは“これが三木ワールドなのか!”と実感した瞬間はありましたか?


※続きは月刊Songs2018年10月号をご覧ください。

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