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jealkbのミニ・アルバム『Mix Up Sonic』には、スタイルを追うのではなく、バンドとしてどうあるべきかに向き合うことで生まれた無敵の6曲が収録されている。彼らの真骨頂でもあるライブのワクワク感を体感できるような本作は、どのようにして制作されたのか。その過程を聞いた。
Photo:竹中圭樹(D-CORD) Text:山田邦子

――ミニ・アルバム『Mix Up Sonic』が完成しました。タイトルに“Mix Up”とあるように、今回は衣装にも色や柄が溢れてますね。



haderu「そうなんです。これまでずっと曲を作る時に名曲を意識しすぎていたというか、特にリード曲では、世界観とか自分達のメッセージを強く打ち出しすぎていた気がしていて。というのも、いざライブになると盛り上がる曲がほとんどなのに、これまでシングルで切ってきたような楽曲はそうじゃないものが多かったから、実はあまり入れるところがなかったりしたんですよ。セットリストに。で、改めてうちらの真骨頂みたいなところに目を向けたんです。今までやってきたことも無駄ではないけど、自分達の本当の魅力を伝えるためにも、次の作品(=今作)では全部ライブの1軍で使える、即戦力の楽曲しか出さない。そう決めて作ったのがこの6曲なんです。ライブに来てもらうためには、jealkbのライブは楽しいんだとか、jealkbの楽曲は楽しいんだってことをまずは打ち出そう。きちんとしたメッセージとか落ち着いた楽曲は、ビッグバンドになってからでもいいと思うんですよね。だからずっとフルアクセルで聴けるような楽曲ばかり。そのテンションが、この衣装にも表れているんです」

dunch「今日の撮影もそうでしたけど、こういうパキッとした色の衣装だとやっぱり気分も上がりますよね」

――実は今回の作品を聴いて、最初にメモしたワードが“ライブ”でした。

elsa「それは嬉しい! 伝わりましたね」



haderu「良かった。1曲目の『煽情』と2曲目の『フルゴリラ』はelsaの作曲で、今までのjealkbの音色をちゃんと引き継いだもの。その後はsapotoの『ジガサガ』で変化球を投げつつ、後半3曲――『PARIPO』『gosh!』『才僕』はedieeさんによる新しいゾーンになりました」

――制作に関してはいかがでしたか?

elsa「今回も僕とsapotoが中心になってアレンジなどをしているんですけど、edieeの曲は本当に難しかった。ドラムに関しても色々大変だったし、とにかくみんなで試行錯誤ですよ。録ったはいいけど、ミックスの段階でまた揉んで揉んで…とかね」

dunch「今回は、演奏面でも難しい曲が多いですしね」

sapoto「僕は今回も段取りとか予算のこととか背負ってる部分があったので、大変でした。でもレコーディングが終わって、ちょっと振り出しに戻れたような気がしているんですよ。ここ5年くらい、社会人としての責任みたいなものを感じながらやってきてたんですね。もちろん今も社会人としてなめられないよう、責任もちゃんと果たそうとは思ってますけど、それ以上にギターを弾くことが好きだし、自分が聴きたい音楽を作りたいなって気持ちがある。やっぱりバンドって、クリエイティブな集団っていうのが一番にあるわけじゃないですか。本当に弾きたいギターってどういうものだろうとか、本当に聴きたい音楽って何だろうとか、今回の制作を終えてそういうことを考えるようになったんですよね。人生の通過点として、すごく意味のある作品になったなと思います。楽曲のクオリティーとか、バンドにおける武器には絶対なるなって客観的にも思ってますし。だからこれを武器に、バンドは次のステージに向かっていくんだろうなって思ってます」

haderu「(大きく頷く)。エンターテインメントとしてフロントマンがやりたいことと、音楽の面からやりたいことがあって、そこを、コミュニケーションを密にすることで融合させ、楽曲で表現できたんです。この作品を作ることで、改めてjealkbがやりたいこととか方向性がかっちり固まってきたことはすごく良かった。制作過程には一番時間がかかりましたけどね。音楽を分かってない組の僕ら(haderuとhideki)も“ここは違う”とかがあったんですよ。音楽を分かってる人にとってはこの音はカッコ良くないかもしれないけど、俺には必要だからって」


※続きは月刊Songs2018年10月号をご覧ください。

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