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甲本ヒロト×真島昌利
ザ・クロマニヨンズから12thアルバム『レインボーサンダー』が到着。シングル『生きる』を含む本作は、言うまでもなく、とことん最高なロックンロール・アルバムに仕上がっている。いつまでもどこまでもロックンロールを楽しみまくる甲本ヒロト、真島昌利にインタビュー!
Photo:松井伴実 Text:森 朋之

──前作『ラッキー&ヘブン』のツアーのことから聞かせてください。新曲に関してはアルバムの曲順通りに演奏していましたが、手応えはどうでしたか?



甲本ヒロト(以下、甲本)「どうだったかな? たぶん色々細かく考えるのが面倒になってるんだろうね。(アルバム通りの曲順でやっても、ライブ用の曲順を考えても)そんなに違わないんじゃないかと思うようになって。すごく劇的な効果があれば考えるかもしれないけど、そうでもないからね。まぁ、甘えてるだけなんですけど(笑)」

──どういう曲順でも、楽しさには変わりない?

甲本「そうだね。自分たちの“体感・楽しさ”レベルを基準に考えるようになったというのかな。以前からそうだったんだけど、さらにそうなってきた。“お客さんのことを考えて、ココはこうしたほうがいいな”みたいな意見は出ないです」

──ツアーのあとは、いつも通り2週間くらい休んだんですか?

甲本「今回は2週間以上、休んでますね。1か月近くかな」

真島昌利(以下、真島)「うん」

甲本「休んだといっても、ボーッとしてただけだよ(笑)」

──旅行とかは?

甲本「行ってない。どっか行こうとしたんだけど、用事が入ってやめたんだよ」

真島「僕も何もしてないよ」

──曲作りは?

真島「それは休みじゃなくても、ずっとやってるから」

甲本「退屈だったな」

真島「うん。何していいか分からないしね」

──リフレッシュが必要ないんでしょうね。

真島「そうなのかな(笑)」

甲本「リフレッシュはね、ライブが一番ですよ。あとはデッカイ音でレコードを聴くこと」

──なるほど。そして今回のアルバム『レインボーサンダー』も最高です。レコーディングで、普段と何か違うことはありました?

甲本「なかったんじゃないかな。すごくスムーズだった、気持ち悪いくらいに。だから達成感がないんですよ」

──“やった! 完成した!”みたいな喜びがない?

甲本「いいのができたとは思ったけどね。例えば何日徹夜したとか、途中でメンバーと殴り合いのケンカしたとか…」

真島「ハハハハハ」

甲本「そういうことがあれば、きっと達成感もあるんだろうけど、全然ないからね」

──レコーディング中にカメラを回しても、何も起こらない?



甲本「そうなんですよ。“撮れ高”が異常に低い(笑)」

真島「その企画はボツになりますね」

甲本「歌詞が書けなくて悩むこともないですからね。僕らはスタジオに入った時点で全曲揃ってますから」

──いいですね。煮詰まったりモメたりすることもなく。

真島「うん。30年くらい前は煮詰まったりモメたりしてたけどね」

甲本「テクノロジーの進化もあるよね。30年くらい前は、ちょっとした作業にもすげえ時間がかかってたから。ギターの音決めだけで1時間とか」

真島「ドラムの音決めだけで1日かかったりね」

甲本「それが普通だったよね。ミックスダウンもそうだよ。1回ミックスして、“ここが気に入らないから直したい”と思ったら、丸1日かかってたから。その間に余計なことを考えちゃうんだよね。今は全部コンピュータにデータが残ってるから、“ここだけ直したいんだ”って言っても15分でできる」

──ストレスないですね。

甲本「うん。健やか」

真島「朗らか」

甲本「艶やか」

真島「しめやか」

甲本「もうないよ(笑)」


※続きは月刊Songs2018年11月号をご覧ください。

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