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2016年に発表したシングル『70億のピース』より約2年振りとなる、秦 基博待望の新曲『花』。パナソニックの企業CMソングとして昨年1月からオンエアされ、話題になっていたナンバーを自らが立ち上げたアナログレコード専用の自主レーベル“HOBBYLESS RECORDS”(ホビーレスレコード)より11月3日=“レコードの日”に7インチEP盤でリリースする。CDではなく、アナログ盤と配信のみでリリースする背景とは──。
Text:大畑幸子
──今年5月にアナログレコード専用の自主レーベル“HOBBYLESS RECORDS”を立ち上げたキッカケから教えてください。

「キッカケは、『ひまわりの約束』をアナログ盤で聴きたいという声が自分のところに届いたところから始まっているんですよ。その前くらいからアナログレコードの音に対して興味が湧いていたこともあるんですけどね。今また海外でも国内でもレコード人気が再燃しているという話を聞いたり、お世話になっているマスタリング・エンジニアの方が作業の合間に、いい機材がセッティングされたところでレコードを聴かせてくださって、“やっぱりいいなぁ”と思ったこともあったりして。そういうふうにちょこっちょこっと気にはなっていたんです。そんな時に『ひまわりの約束』をアナログで聴きたいって声をもらって。せっかくならレーベルを立ち上げて、半分は遊びというか趣味みたいな感覚でいるんですけど、僕自身もアナログについてそこから始めるようなキッカケになったらいいのかなと思ったんです。以前、『Girl』をアナログで出したことはあったんですけど、より本格的にそこに向かって音作りも含めてできたらいいなと。CDもそうですけど、配信があったり、その配信もハイレゾがあったり、今は色々な形で聴く方法があるので、アナログをやらないのも不自然かなという気もしたし。だから自分の楽曲を送る形として、アナログレコードがあってもいいなと思いました」

──秦さん自身は完全なるCD世代ですもんね。

「ええ。世代的にはCD世代ですね。だからレコードはほとんど聴いていないし、もっと言えば、触ったこともほぼ…なかったと思うんですよ、子どもの時から…うん…記憶にある限りはないですね」

──アナログ盤の音に興味が湧くと言ってましたけど、確かにレコードとCDの音そのものの違いはありますからね。

「ええ。アナログを知ることで音楽の捉え方が変わる気がしたんですよ。それは良し悪しじゃなくて種類の違いっていうか。それこそCDと配信でも音楽の捉え方は変わるし。自分自身もダウンロードしたアルバムを気が付いたら1回しか聴いていないってこともあったりするんですけど、それって内容じゃなくて音なんじゃないかなと思い始めたんですよ。mp3はやっぱりじっくり音楽を聴くには足りないんじゃないかなっていう。持ち運んだり、手軽に聴くってことに関しては長けていると思うし、CDだったらCDで良さもあると思うんですけど。アナログって配信とは両極端なところにあるというか、手間はかかるけど、音楽と対峙する分、その重量感とか音の太さとか、何回も聴けるとか、その音楽を繰り返し楽しめる音の耐久性がある気がします。アナログってそういうところがあるなと思ったので、そこに対して向かっていったという感じですね」

※続きは月刊Songs2018年11月号をご覧ください。

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